学力向上タイトル 「主体的な学び ~伝統や文化に関する教育~

千里 九「九中では、2年生でお箏を学ぶ。日本の伝統楽器だ。~さくら さくら~を奏でる。」

お箏の先生 

お箏 

 協働学習

宮城道雄先生(写真1)

お箏に触れる、音を出す。 (写真2)

お筝 協働学習 (写真3)

 今日から1、2年生は学年末テストが始まり、3年生は自らの進路を決定すべく公立特別選抜入試に向かう生徒がいます。そんな中、先週1年生では特色ある教育活動のひとつとして「お箏(こと)」の授業に遭遇です。中学校学習指導要領改訂のポイントのひとつに、伝統や文化に関する教育の充実があります。音楽科では、”唱歌・和楽器”の指導などがあげられます。お箏の授業

 伝統音楽の登場 音楽といえば得意な人はすっごく得意だし苦手な人にとっては、きらい。あっちいってシッシ16ぐらい苦手な教科なのである。

 1年某組、16日いつものように音楽室に入ってきた生徒たちは驚いた。いつもと違う。とても興奮気味で自分の机に向かう。机の上に”お箏”が10面並んでいたから。なんだこの楽器は?この授業のために先生は頑張っていた。お箏の調弦もすませてある。調弦は”平調子”といってお箏の基本的な調弦なのだが適当に弾いてもなんだか”和”を感じるわん、というお調子のよい音が並んでいるのだ。

 おもむろに指で弾いてみる。痛い。生徒は、爪が欲しいと叫ぶ。一応爪も用意した。けども一人1つは当ててない。今回はお箏が弾けるようになる”こと”が目的ではないからだ。

 授業が始まった。キンコンカーン。音楽室入り口頭上には、ベートーベンやシューベルトが見守る。そして知る人ぞ知る山田耕筰さん(代表曲:夕焼け小焼けぇの”赤とんぼ♪")や滝廉太郎さん(代表曲:荒城の月)がいる。左端4番目の方が宮城道雄先生(写真1)だ。箏曲の伝統に根を下ろしながら、新しい日本の”お筝”を創造したお方だ。現代お箏の創始者といっても(遺言・過言・方言)ではない。

 「私は嫌いになっても音楽は嫌いにならないでください」が、持論の担当者である。なんでもかんでも最初は遊びから始まる~と勝手に考える御仁だ。宮城先生の視線を気にしつつも「とりあえず壊さなかったら何をしてもいいよ」とお箏を自由に触らせた(写真2)。たいていの生徒はグリッサンドをしてみる。端から端へ、爪を転がす。しゃあらららっらーん♪ あー、お正月気分。生徒には、「1面100万円」と釘を刺す。とりあえず5分間満喫したが、ここまで来るといい感じに音を出してみたい。そこで生田流の弾き方、”音を楽しむ”を伝授した。爪を使う時は角を当てて弾く。斜めに構えてみよう。音が出せたところで本題に入ろう。箏には余韻を変化させるという技法がある。まずは基本。ピアノの上においた箏を傾ける(結構つらい)。「押し手です。糸がくっつくぐらい押して下さい」「え?ちぎれへん?」生徒困惑。「大丈夫です」六段の調の初段で登場する「引き色」「押し手」「後押し」「突き色」を見よう見まねでやってみる。痛い!という声。そう、痛いんですよ。難しかったら誰かが右手役を、もう一人が左手役をやってもいい。協働学習(写真3)してね。「あ、音が変わった!」「お箏みたい」お箏です。

 河村先生「音の余韻変化を聴いて(写真左上)。音がどんな動きしてる?先生の音を再現してね。」あちこちからいろんな音が増えてきた。「この余韻の変化が、曲の中でどう登場するのか聴いて」先生による生演奏だ。音楽はライブにかぎる。生徒は必死で聴く。宮城さんが頭上で微笑んでいた(写真1)。

六段の調べを学ぶ前に 教科担当者