学力向上タイトル 音楽活動の充実 ここにあり  

千里 九「一句できた。『箏(こと)あわせ 心あわせる 音楽室』。「こと」は古くから日本に存在し『古事記』には箏を弾く場面がしばしば登場する。登呂遺跡は弥生時代の遺跡じゃが、ここでも「こと」と思われる残片が見つかっておる。箏はそれぐらい古い楽器なのだ。」

  おこと1~雅(みやび)な授業 音楽~  

 "just fit"

 音楽の授業が「雅」です。10月21日から11月1日まで毎年恒例となっている生きた演奏支援活動『サウンドスクール』事業としてお箏(こと)の体験学習(左写真)を実施しました。(本来、日本で言うところの「こと」は「琴」ではなく「箏」という文字が正しいのです。だから、ここでは、「箏」を使用します。)

 大阪音楽大学から特別講師の菊武先生をお招きし、一クラス3時間ずつお箏の基本から実践まで教えていただきました。中学校学習指導要領の改訂案等のポイントのひとつに、伝統や文化に関する教育の充実があります。・・・各教科等において、我が国や郷土の伝統や文化を受け止め、それを継承・発展させるための教育を充実していく。具体的には、国語科での古典、社会科での歴史学習、音楽科での唱歌・和楽器、美術科での我が国の美術文化、保健体育科での武道の指導などがあげられます。

 さくら さくら 今回の授業の最終目標は、クラス全員で、唱歌「さくらさくら」を奏でること。「さくらさくら」は、作者不詳の日本古謡。幕末に江戸で子供用の箏(こと)の手ほどきのために作曲されたとされている。学習指導要領の改訂案のポイントにjust fitなのだ。 おことの先生、おとこの先生が、まず1時間目に箏の流派や、爪の形のお話、姿勢と構え方などの基本を教えてくれる。後は、習うより慣れろの連続、ひたすら実技。二人で一面を順番交代で練習中、待ちきれず「あいてるお箏で練習してはいけませんか?」意欲十分!弦の番号を弾くと・・・七七八 七七八 七八九八 七八七六(さくら さくら野山も里も♪と鳴っている)2時間目は前奏、おもにグリッサンドのように弾く流し爪の練習、しゃあららららら~ん♪この技法ができればちょっと上手になった気がする。3時間目が後奏合わせ爪の練習、押し手、ひゅゅゆゆ~ん、ぽよ~ん♪この技法をマスターすればかなり得意になれる。手ほどきを受けたあとは、最後に全員で合奏した。

さくら さくら♪
野山も里も 見わたす限り
かすみか雲か 朝日ににおう
さくらさくら 花ざかり♪ これは、いい。気持ちEE。2年生、2学期、いい楽器を学んだ。こと2

箏の授業を終えて 音楽担当教諭「貴重な時間でした。音楽室に竜が20匹!箏は中国から伝来して来た楽器で、その形は竜を模しています。そのお箏が、音楽室に20面ずらりと並ぶ姿は壮観です。いつもと違う雰囲気に、子どもたちは心なしか緊張気味。お正月にレストランなどでお箏の音色を耳にすることはあっても、実際の生の音を耳にするのはじめてだったのではないでしょうか。

 おそるおそる弦に触れる指、先生の説明を聞き逃すまいと大きくなる耳、子どもたちの目がキラキラと輝く二週間となりました。(上写真)どのクラスの子たちも、最終日には日本の伝統音楽『さくらさくら』を見事に演奏仕上げました。日本の伝統楽器に、今回は二年生300人ほどが触れることになりましたが、お箏はとても奥深い楽器です。今回の貴重な体験をきっかけに彼らが成人してからでも、またお箏を演奏してみたいな、家事の合間に、仕事の合間に習ってみようかな、などと思う子が一人でも生まれてくれたらなあと感じます。日常生活の中に、音楽の溢れる心豊かな人となってくれたらなあ、と願います。」 

楽器に礼。

菊武先生