学力向上タイトル 「1冊より2冊、関連本を重ねて理解力をあげる

千里 九「平家物語は平家のためにあるのではない。登場人物の生き様を人々が知るためにある。」

 平家物語関連本

ブックトーク 説明  

 巴御前

平家物語 関連本(写真1)

見て見て!平家物語(写真2)

ックトーク 巴御前(写真3)

ブックトーク 平家物語~ 国語科 BOOK TALK ~ 

 先週2年生の国語は、学校司書の先生によるブックトーク「平家物語」です。「平家物語」の魅力を様々な関連本から引っ張り出し、たぐり寄せ”家物語っておもしろい?”を紹介していただきました(左写真)。

 ブックトーク 生ラジカセが鳴る。ベベン♪、ベンベンベン♪琵琶(びわ)の音色が図書館に響く。『日本の伝統音楽 琵琶』CDの音だった。ベベン♪祇園精舎の鐘の声~ ベベン♪諸行無常の響きあり~ベベンベン♪、独特の節回しに生徒達からクスクス笑い声がおこった。おこったといえばクスクス楠、楠木正成 建武の新政は1333年(イチミサンザン)鎌倉幕府滅亡だった。鎌倉幕府滅亡の前には、平家滅亡があったんだよ、というのはもう習った。

 ベベン♪、ベンベンベン♪な台詞にもとまどう2年生たち。クスクスの中、司書の先生「はーい。みなさん、今日は国語や社会で習った『平家物語』です。実はとっても魅力的な物語なんですよ。その理由は2つあります。ひとつは語られるテーマがはっきりしているから。これです。(ホワイトボードに貼る)諸行無常と盛者必衰”、この2つが日本人の心に響くのでしょうね。もうひとつは、登場人物のキャラが立っている。平清盛、木曽義仲、源義経この3人の半生が心に残るのです」この3人の半生、反省することもあったろう。歴史に”もし”があれば・・・清盛が幕府を開いていた可能性もあるのだ。 

 平家物語っておもしろい!! ではどんな物語だ? 司書の先生がカゴいっぱいの平家物語たちを机に置いた(写真1)。ひろげる。平家物語の世界にはまる。『絵で見てわかるはじめての古典 七(学研)』をとった。人気の秘密は、「まず、平清盛。平氏じゃなきゃ人じゃないとまで栄華を極めた。大輪田泊の港の修復では、人柱(ひとばしら)を、という意見を退け”お経”を人の代わりに沈め迷信を断ち切った。人気もありそれはものすごい権勢を誇ったのだけれど、あっさり熱病でなくなったの。ここからの平家は『源平争乱大百科源氏編・平氏編・合戦編(ポプラ社)』『源平絵巻物語(偕成社)』、などに詳しい。イラストが迫力あるのよ。見て見て(写真2)。平氏は源氏に追われ京を去りここで登場したのが木曽義仲。都にのぼり朝日将軍とまで言われたがここでも盛者必衰のことわり、義経に滅ぼされる。で最後のヒーローが義経ね。義経は壇ノ浦で平氏を滅ぼし高い地位につくのだけれど、その義経も兄頼朝に(妬まれ)よって追われ奥州で自害する・・・。戦いの話だけじゃなく平家物語には恋話(こいばな)もあるのよ。」

 横道にもそれる。『恋の歌、恋の物語(林望 岩波書店)』がオープンザブック!巴御前、静御前が恋していた活躍していた(写真3)。おまけに那須与一が扇の的を射貫くエピソードまで披露された。

  司書の先生「教科書では、ほんの一部しか紹介されていない”平家物語”ですが、実は12巻にものぼる壮大なストーリー。登場人物が魅力的で、そのエピソードは能や歌舞伎などの題材にも多く取り上げられています。古典は敬遠されがちですが、少しでも興味を持ってもらえるよう、琵琶の演奏音源なども取り入れながらブックトークしてみました」 

 平家物語”12巻にものぼる壮大なストーリー