3月26日 86号 3年生になる自分 ~美術 切り絵~
「人口膾炙と新3年生と美術」
千里 九「3学期もこの時期になると、九中のサクラはつぼみをつけ、ところどころ花が咲く。入学式前に九中サクラは満開を迎え、新入生を迎えるのは人口に膾炙(かいしゃ)されている事実である。」
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サクラとつぼみと九中(写真1) |
サクラと星と私(写真2) |
紅葉と象と私(写真3) |
~言葉を刻む~
今日サクラのつぼみが咲きました。そのままC棟2階どんつき美術室に向かうと誰もいません。授業はすべて世界のオワリ生徒たちはいません。
だが、2年生が残した作品は放送室前に次の作品が完成するまで掲示してあります。3年生となる自分に向かって言葉を刻み、新年度を迎えるためにです(左写真)。
レタリング レタリングとは、墨や毛筆ほど味わいのある手法ではないが、パソコン全盛期の今、新ためて手で書くことの良さを考えるにはもってこい!ということで、担当の美術科教諭が1年生の課題にしているのである。それを伝え聞いた2年美術担当教諭は、これは使えるとばかりにレタリングに挑んだのだった。九中美術科ではレタリングがマイブームとなっている。
レタリング字典という美術の教科書を開く。文字を読みやすく、一つのまとまりとして感じさせるようにデザインされた書体を集めた、こんなふうに書いてねという手本集がある。学ぶとは、まず真似ぶこと。このお手本を元にして、清く正しく美しく書きうつす作業を始めるのだ。コツコツと。このコツコツが手先の器用さにつながる。中学校で学ぶ書体は、基本2つ。明朝体とゴシック体である。ゴジック体は遠くからでも視認性が良いので、このデザインは公共施設の標識などに多く使用され、人口に膾炙している書体である。
どのような場面でどの書体を選ぶかによって、同じ文章でも印象が、がらりと変わる。デザイン業界では色や写真、イラストに続く大事な要素の一つなのである。この文章は前にも・・・・どこかで聞いたような、デジャヴである。デジャヴとは、前にも体験した気がする?ここは前にも来た気がするという不思議な感覚のことを言う。
切り絵 旧2年生は3学期、切り絵で「3年生になる自分に向けたメッセージ作り」に挑戦した。いよいよ、4月からは3年生になるのだ。最上級生だぞ。3年生になった時、この切り絵を自分の部屋などに飾って、それをみて「よし、頑張ろう」と 励みになるような作品を目指した。
完成した作品は、放送室前に掲出した。「壁をぶちこわせ」「上を目指せ(写真2)」どれも前向きな作品ばかりだ。「人生ゆっくり(写真3)」立ち止まることも必要だ。文字に合うような背景も考え、それを切り絵にしていく。カッターで黒画用紙を切っていく作業では、みな真剣だった。2年前には、背も小さく、一つ一つの作業に時間がかかっていたり、水入れをバシャーンとこぼしてしまったり…。幼かったあの頃を思い出す。みんな成長している。レタリングも綺麗に書け、背景の絵にも工夫が見られる。この2年間で経験を重ね、創造力がどんどん豊かになっているのは確かだ。3年生での作品が、もう楽しみでならない。
壁をぶちこわせ 新3年生徒