学力向上タイトル   お昼休みの図書館 満員御礼 

千里 九「ちはやふる~である。ちはやぶるとは、枕詞(まくらことば)である。在原業平(ありはらのなりひら)が飲んだくれ、いや詠んだ句で、神代(かみよ)も聞かず竜田川(たつたがは)韓紅(からくれなゐ)に水くくるとは・・と続くのだ。えーちはやふる 図書館にあるの?」

~~ 2月13日 木曜日 PM1:00 ~~ 

 読書豊中市は、読書活動日本一を目指しています。「自ら学び、自ら考え、よりよく問題を解決する能力や豊かな人間性などの『生きる力』を理念とする新学習指導要領においては、思考力、判断力、表現力等を育成する観点から、基礎的・基本的な知識及び技能の活用を図る学習活動を重視するとともに、言語環境を整え、言語活動の充実を図ることへの配慮が求められており・・・・、(豊中市ブックプラネット事業より)

 つまり、言語活動を取り入れた学習活動を支える上では、読書活動が不可欠なものである。ということです。

 お昼休みの図書館:C棟突き当たりには、本の木がすくすくと育っている(下写真)。実(み)は本の帯である。「  ちはやふる 1~23 新しく入りました。」の帯もある。本の木に誓う。本気で本を読むぞ!と思ったかどうかわからないが、続々と図書館に生徒がやってくる。集まってくる。あっという間に図書館は、満員御礼となった。あの子も、この子も、その子も読書を始めた(左写真)。立ち読みOK、座り読みOK、くつろぎ読みOK、寝そべりはOK?飲食読みOK・・・これはだめ。図書館は沈黙とリラックスの場である。

 その数、60人から70人。多いときは100人を越えるらしい。1日平均30冊~40冊が貸し出され、同じ数ぐらいが返却される。図書委員は、バーコードリーダーを片手にピッピッと業務をこなす。結構ハードだ。ハード・・・カバーも貸し出す。ここでしか読めない漫画もある。ちはやふる 1~23・・もあった、人気だった。小学6年の少女・千早は福井からの転校生・新に出会い、競技かるたの世界に魅せられるというストーリーで、生徒に聴くとおもしろいらしい。1時15分予鈴のチャイムが鳴った。潮がひくように図書館には誰もいなくなった。

校長先生イチオシの本:子ども読書活動フォーラムというイベントが、先月アクア文化ホールで開かれた。ここで高橋校長先生が戦ってこられた。「ビブリオバトル」である。「ビブリオバトル」とは、おすすめの一冊を持ち合い、1人5分の持ち時間で本の魅力を紹介し合うというもの。その後、観客が一番読みたくなった本、「チャンプ本」を決定するというものだった。

 高橋校長先生は、トップバッターだった。
「わたしのお薦めの本はこれ、富安陽子さんのシノダ!ちび竜と魔法の実』です。シノダ!というのは信田さんちのお話。信田家は山の近くのマンションに住んでいます。植物の研究をしているパパと、強くて明るくて、優しいママと、5年生のゆいちゃんと、3年生のたくみ君と幼稚園のもえちゃんの5人家族です。とっても仲の良い信田家ですが、重大な秘密が一つあります。それはね、ママが『キツネ』なんです。・・・・」えーーーー。ママがキツネ、この後の展開どうなる?「・・・次々おこる災難にハラハラドキドキ・・・。でもママが言います。『災難の影』から逃げ出すことなんてできないの。お日さまは、どんなに高くかがやいているときだって、必ず影を落とすものなんだから。影から逃げ出そうと思ったら、影よりもっと暗い闇の中に逃げ込むしかないでしょう?そんなのダメ!だから、影に負けたくなかったら、いつもお日さまにむかって胸を張っていなさい。闇のほうじゃなく、光のほうを見つめるようにすれば、影なんてちっともこわくないのよ。』

 観客の反応は良かった・・・。モーグルの上村愛子選手もトップバッターだったが、メダルを惜しくも逃した。あれは絶対メダルに届いたと思った人が多かったろう。トップは厳しい。校長先生もまた惜しくも金メダルを逃されましたが、読んで後悔しない1冊に間違いない。図書館にあります。(図書館だより47号に詳細を掲載) 

読書は、一人のようで一人ではない。本を書いている人との二人の時間である。

斎藤 孝