学力向上タイトル 「家庭科と回文と人口膾炙

千里 九「トマト・理科係・私負けましたヮ・・・なんだこりゃ。実はこの3つの言葉は、前から読んでも後ろから読んでも同じ音になっている。言葉遊びのひとつで、このような文を回文と言うのは人口膾炙(かいしゃ)している事実である。」

 家庭科授業  家庭科プリント  栽培計画

 tomatoの苗を説明する時間(写真1)

tomatoの栽培を学ぶ時間(写真2)

tomatoの栽培を計画する時間(写真3)

家庭科授業

 技術家庭・・生物育成の技術   

 平成24年度から学習指導要領が改訂され、技術の授業で、生物育成の技術(栽培)が必修単元となりました。「毎日の食事や生活環境など、わたしたちの豊かで安心な生活を支えるために、生物を育てる技術が活用されています。生物を育てるためには、人がかかわり適切な時期に適切な管理作業が必要です。(教科書 3年技術 P152より)」

 トマトと回文 『※奥さん。私はアダムです。』『家庭科 トマト 買いてか!』『夜 すきやき するよ』なんだこりゃ。アダムという人が家庭科で作ったトマトを売って、夜すき焼きをつくってくれるという意味なのか?なら嬉しいが実は違うのである。トマトといえば回文の基本型だ。上から読んでも下から読んでもトマトである。そこで、トマトの授業の前に頭のたいそう①をしてもらったのだ。トマトを使ってたいそうな②回文をつくってみなさい、というテストがあればの解答例である。小問も用意した。問:①、②の言葉を漢字になおしなさい。①は簡単だが②は書けそうで書けないでしょ。正解は、①体操 ②大層 である。では、頭の体操はこのぐらいにして、次は教室で座学が待つ。※『奥さん。私はアダムです。』は回文になってないぞの疑問の答えは一番下にあります。

 トマトと座学 トマトは南アメリカのアンデス山脈高原地帯で、ペルーやエクアドルのあたり原産の植物だから、日が良く当たり、乾いた気候を一番好むようである。水やりと肥料はしぼり気味に、日当たりと風通しのよい場所で育てるのが一番好ましい。ちなみに生育適温は、昼間は25℃~30℃、夜は10℃~15℃とされている。トマトは正門の付近で、苗から育てることにした。登下校時に虎視眈々(こしたんたん)と観察もできるし。一石二鳥なのだ。

 苗植えが終わると教室での座学が待つ(写真左上)。観察記録の用紙を教科担当の大野先生が配付する。教卓には一輪のバラではなく、ひと苗のトマトが用意されていた。観察記録の書き方や、これからの管理の仕方の説明をひと苗のトマトを用いて説明をおこなったのだ(写真1)。座学の基本、百聞は一見に如かずである。その中でもわき芽の摘み取り方に注意を払う必要である。露地栽培の場合はミニトマトのわき芽をそのまま伸ばしてもよいが、ちっちゃな6号鉢では栄養が足りなくなる。逆に実つきが悪くなるので、‘摘芽’を行う。大野Tは、実際の苗を持ち机間巡視をし「わき芽」とはどれなのかを確認した。まだ苗なのでわき芽も5ミリくらいだ。「えー、とっちゃうの?かわいそう」という声も聞こえる。肉を切らして骨を断つ!実は小学校低学年でもミニトマトを育てることが多いようであるが、このような‘より良い実を作るための作業’はきっと行わなかったであろう。我々は中学校3年生である。その場に応じた管理を行い、すばらしいミニトマトを作る方法を学ぶのだ(写真2)。で、栽培計画を完成させていく(写真3)。栽培の授業をとおして農業の素晴らしさ、大変さも学んで欲しい。それが技術家庭科の願いである。

 毎日観察や管理を行うのは大変だが、日に日に大きくなるトマトにきっと愛着も湧く。今後もミニトマトから目を離せない。教科担当「植物も人間と同じ、手をかけ、目(芽)をかけてあげれば、すくすく育ちます。」

Madam, I’m Adam 英語にも回文があります。