ひとはり①  ひとはり2  

針を持つ(写真1)

糸を通す(写真2)

糸を抜く(写真3)  

夏休み練習 がまぐち 財布    

 九中家庭科部です。活動内容は手芸と料理です。夏休みも地道に、そしておだやかに、おしとやかに活動を行っています。

 手芸部門ではこれまで、ブックカバーやミサンガ、羊毛フェルトでリースを作ったりしてきました。料理部門では、クッキーにクレープ、スノーボール、わらびもちなど様々なおかしを作ってきました。本日はがま口サイフを製作しました。
 そして 手芸。 わいわい、がやがやなのかと思ったら、そんなことはない。みな、真剣。しゃべりながらだと集中できないのか、黙々と作業を進めている(写真左上)。しゃべらずに静か・・・少し張り詰めた空気の中、思い切って話しかけてみた。

 クラブは楽しいですか? -「はい、楽しいです。」どんな所が楽しいですか? - 「手芸や料理ができるところ。自由なところ。先輩が優しい。」調理実習では何が一番良かったですか? ー「クッキーがおいしかったです。」あまったクッキーを職員室に持って行って、食べてもらったりしましたか? - 「・・・。分かりません。」〈残念、一度家庭科部の力作を食べてみたいもの。〉生徒が、その横で針を持ち(写真1)布に糸を通し(写真2)糸を抜く(写真3)。ひとつひとつの動作を顧問の先生に見守られ、お財布作りに挑んでいた。ひとはり、一針ていねいに。

 そして がま口。 日本人のお財布と言えば・・・長財布だろう、お札を折り曲げないで収納できるのがいい。札入れというのもある。お札を入れるための財布で、おしゃれだが小銭は入らない。小銭入れは、角型や馬蹄型があり、小銭を入れるためだけに特化したお財布である。二つ折り財布は、ポピュラーである。お札・小銭・カード類などたっぷり収納できるでので、結構普及している形の財布だ。

 で、がま口財布である。底幅が厚いので、たっぷり入り、中身が一目瞭然なのがいい。で、口を閉じるたび「パチンッ」と指に響く感触が、たまらん。名前の由来は、もちろん、ガマガエルのように大きく開く口からきているのだろう。お金がたまるとも言われ、ガマ口財布は、京都の民芸品屋さんなどで人気なのである。が、元を正せばヨーロッパ生まれで、舞踏会のお供になったバッグだった。それが、時間と歴史をこえ、日本に伝わり、家庭科部にも伝わったのだ。部員は、丁寧に仕事をする。また、部員に聞く。がま口サイフはいつまでに完成させるのだろうか? - 「今日から一週間以内です」。
「えっ、そんなに早くできるの?」。がんばって期限に間に合わせることも必要なのだ。みんなで地道にコツコツ、糸を布に通し、仲間との思い出を紡いでいく。財布が軽ければ心が重いと言ったのは、ドイツの詩人ゲーテであるが、家庭科部作のがまぐち財布は、ひと味違う。一針の気持ちがいっぱいつまっている。思い豊かながま口財布なのである。

顧問「家庭科部は、ふだんから静かで、まじめに活動に取り組んでいます。部員には、なみ縫いなど手芸や料理の基本的なことができるようになって欲しいと思い指導をしています。」

おだやかに、おしとやかに。

(どの口が言う)ワイルドな顧問