ふれあい桜 薬剤塗布 せん定

「ふれあい桜」由来(写真1)

癒合剤はカルスメイト(写真2)

枯れた枝のせん定(写真3)

 梅雨に入りアジサイの花はより元気に見えます。さて、元気といえば、正門前から西丘を見守ってくれている元気な”ふれあい桜”です。しかし、”ふれあい桜”のてっぺんあたり枯れているのが先日判明しました。そこで急きょ、専門家である日本グリーンサービスさんに連絡し”ふれあい桜”を診ていただきました(下写真)。

ふれあい桜 ルネサンス「ふれあい ルネサンスとは、「再生」「復活」などを意味するフランス語である。一般的にはギリシア、ローマの文化を復興しようとする文化運動で14世紀にイタリアで始まりやがて西欧各国に広まった。21世紀初頭、西丘にふれあい桜再生の波がやってきた。西丘正門付近には 「ふれあい桜」と呼ばれるしだれ桜がある。この桜は地域の方の善意と小学校の協力により平成31年3月に植樹された(写真1)。毎年春になるとこの桜は見事にしだれて咲き誇り、西丘っ子や地域の方の心を和ませてきた。当時の13代校長先生は振り返る。人に歴史あり。桜に思い出あり。あれは校舎改築をした6年前だった。なにか記念になるものを残したい。そんな思いを結実させたのがこのしだれ桜だ。この地のシンボルとして人々が集いふれあって欲しいという願いをこめ、「ふれあい桜」と命名された。”ふれあい桜”は成長とともに西丘を地域を見守っていく。実際に昨年度ふれあい桜の周りに1000人規模の人が集った。「ハロウィーンパーティ2022」が開催されたのは記憶に新しい。

 その桜が病気になった。てーへんだ。お家のいや西丘の一大事だ。桜の先の方から枯れ始めている。教頭先生は日本グリーンサービスさんへ電話をした。日本グリーンサービスさんとは、この地に「ふれあい桜」を植えていただいたその道の専門家である。人間なら病気になったら病院へなのだが桜は病院では診てもらえない。日本グリーンサービスさんに診ていただいた。「水不足で上の方が立ち枯れたのかもしれない。枯れたところはせん定し薬剤を塗布して様子をみましょう」。

 専門家が往診にきた  「ふれあい桜」をよく知る日本グリーンサービスさんは6月27日往診にやってきてくれた。枯れた枝は再生しないので、処方箋は「枯れた枝をせん定して癒合剤を塗布する」だ。癒合剤はカルスメイト(写真2)を使う。”カルス”というのは細胞が傷口をふさぐときにできる膜のようなもの。その生成を助けるからカルスメイトというらしい。なるほど。剪定で枝を切られたその箇所は樹木にとって傷口である。この傷口を放置しておくと雑菌・害虫の侵入、水分・栄養が流れ出るなどさまざまな悪影響を及ぼす。切り口の保護と樹木が本来持っている治癒力を促進するのがカルスメイトだった。日本グリーンサービスさんは用意した脚立を”ふれあい桜”に立てかけた。枯れた枝を選別しテキパキとせん定していく(写真3)。せん定後の切り口にはカルスメイトを塗った。少し茶色いクリームが切り口を目立たささず保護し乾燥をふせぐのだ。処置は終わった。切り口からまた新しい芽が吹くだろう。2~3年かけて桜は自分を取り戻すはず。

 梅雨空に しだれ桜の ルネサンス