学力向上タイトル技術科の授業:ブックスタンド  

千里 九「オープンスクール2年5組社会科の授業は、流れるような歴史があったのう。1560年桶狭間の合戦が目に浮かぶようじゃった。信長の勝利は1543年(いごよーさん)くる鉄砲伝来にあった!あの長篠の合戦で信玄の騎馬隊が敗れたのも鉄砲にあったのじゃ。」

          ~技術科 木材加工~   "Wood Processing"

 昨日は、オープンスクールに300名以上の方がご来校、進路説明会等を含めれば400名近くの方が九中にあたたかい眼差しを注いでくれました。特に、四教科の授業見学をとお願いしたところ、運動場、体育館、音楽室、美術室等にまで、多くの方が足を運んでくださいました。

 特に木工室は、C棟1階の奥の奥の院にもかかわらず探しあて、行列のできる木工室、匠の技術を見学していただき感謝しております。(写真右)

 学習指導要領の改善基本方針によると技術は「ものづくりなどの実践的・体験的な学習活動を通して,材料,加工,エネルギー,生物,情報に関する基礎的な知識と技術を習得させるとともに,技術と社会・環境とのかかわりについて理解を深め,よりよい社会を築くために技術を適切に評価・活用する能力と態度の育成を重視する」とあります。つまり、よりよい社会をつくるためには技術が必要なのです。

捲土重来(けんどちょうらい~物事に一度失敗した者が、非常な勢いで盛り返すこと~

 日本の技術はすごい。鉄砲。いごよーさん来る1543年鉄砲伝来から見よう見まねで、種子島銃をつくった。今も技術立国日本の歴史は脈々と受け継がれている。世界中に工業製品を売り日本の工業技術は、世界のトップを走るようになった。メイドインジャパンはブランドだ。だが、今や冥土にいくかもジャパンになりつつある。おごっていたわけではないが、おごる平家ひさしからず!今世紀になって韓国に頭脳流出するやら、日本の工業製品がおたくすぎるやら?で日本製品が世界で売れなくなってきた。ここ10年で世界に閉めるシェアは大きく低下しDVDは90%強あったのが20%弱に、自慢の液晶パネルは100%だったのが、今や10%まで減っている。あっあああどうしよう。どうしよう。ここは捲土重来(けんどちょうらい)を期するしかない。ものづくりの原点が木工室にあった。日本のピンチを救う九中生がいた。

技術の時間(5限 1年1組)技術  

 今、1年生は、世界にたったひとつしかないCDラックorブックエンドorマガジンラックの制作に取り組んでいるのだった。木材加工である。担当の先生から、材料が配られる。図面にしたがって、木材にけがき(のこぎりで切る線をえんぴつで引くこと)をする。ここを間違えるととんでもないことがおこる。組み立てたとき寸法が足らず、ブックエンドがTHE ENDになるのだ。そこで、先生が間違ってないか確認をおこなう。「先生、見て、見て」あっという間に行列のできる木工室となった(左写真)正しく線を引いている生徒ばかりではない。間違いを指摘すると「ちょっとぐらい許してぇや」。1mmを超えるミスは許さない。ここは心を鬼にしてやり直しを伝える。言われた生徒はUターン引き直し。トライ&エラーだ。失敗から新たな発見があるはず。保護者の視線をまったく意識しないくったくのない1年1組だった。これから切ったり、削ったり、らじばんだり・・・こんな単純な作業をくり返しくり返し、人類は今日の文明を築き、学力向上につなげていったのだろう。 

失敗からは必ず新たな発見がある。

田中耕一(ノーベル化学賞受賞)