学力向上タイトル 「使える音楽」・・伝統楽器 手先動かし 学力向上  

千里 九「八つ橋は、京都を代表する和菓子の一つであるが、お箏の形からきているのだ。米粉や砂糖などを使い、この生地を蒸しただけで焼き上げない「生八ツ橋」は、奥深い味わいがあるのは、人口に膾炙している事実である。」

 音楽1

音楽2

 音楽3

これが お箏(こと)(写真1)

これが 音色(写真2)

これが 感触 (写真3)

 六段の調 ~ 音を刻む2 ~ 

  中学校学習指導要領の改訂案等のポイントのひとつに、伝統や文化に関する教育の充実があります。・・・各教科等において、我が国や郷土の伝統や文化を受け止め、それを継承・発展させるための教育を充実していく。具体的には、国語科での古典、社会科での歴史学習、音楽科での唱歌・和楽器・・・の指導などがあげられます。

 伝統音楽の登場 中澤T「ゲストティチャーの登場です。」伝統音楽のおことを紹介するためにはるか彼方の準備室から現れた河村T「伝統音楽と聞いた瞬間、皆さんは、どんな楽器を思い浮かべますか。」三味線、三線、生徒達は知っている楽器を並べる。おこと!「ことの字は、竹かんむりに下は、争うに似た字を書きます。箏です。」河村Tが音楽準備室に消えた。お箏を持って再登場だ、結構高い。値段も高いが、背も高い(写真1)。

 箏は中国から伝来して来た楽器で、和楽器となりそれが発展し、今の形になっている。「その形は竜を模しています。ドラゴンです。」燃えよドラゴン?あちょーとかは言わない。箏の頭を竜頭と呼ぶ。竜頭蛇尾という言葉があるが、そのとおり。初めは勢いがよいが、終わりのほうになると振るわなくなる・・・つまり、頭は竜のように立派なのだが、尾は蛇のようにか細くて、前と後とのつりあいがとれないことをいう。だから、箏のしっぽでは弾かない。弾くのは竜頭の部分のみだ。

 六段の調(しらべ) 箏奏者で誰か一人を選べと言われたら、八橋さんである。えっ八つ橋というと、生八つ橋?美味しそうだなとか、日本の伝統楽器に、食べ物なんて似合わないと思う人がいるかも知れないが、杞憂である。京都の八つ橋こそが、お箏をイメージした和菓子なのだ。お箏の味わいと共通する。で、お箏の第一人者を八橋検校さんという。検校というのは、一種の肩書きで、今でいえば先生?師範みたいなもの。だから、弟子もいっぱいいた。そのうち二人が有名になった。一人は教科書P24に登場する生田検校さんである。現代のお箏の主流になっている。特徴は、角爪を使う。(ギターのピックのようなもの)角の部分を使って弾くので、箏の斜め横に座る。ところが、ななめはイヤ。まっすぐ座って弾きたいじゃないの、という人が現れた。山田検校さんである。丸爪を使って、まっすぐ弾く技も誕生した。「この二つが二大流派で、ございます」サザエさんみたいな、親しみある説明が続いた。他にも流派が生まれるが、新しい流派が受け入れられないのは世の常で、今は生田流の時代だそうだ。

 お箏の基本知識を学んだあとは、河村Tがお手本を示す。六段の調を弾く。しゃららららーん(写真2)。そこは、もうお正月だ、箏の音色に聴き入る2組の生徒たち。きんこーんかんこーん。授業終了のチャイムが鳴ったが、誰も立ち上がらない。しゃららららーん。拍手が待つ。素敵だね。お箏の音色。授業が終わり、お箏の前を生徒が囲んだ。河村T「触っていいよ。」おとこの生徒たちが素手でお箏を弾く(写真3)。いたっ。素手だと痛いことが、わかった。

 音楽科担当「『お箏』は2年生で弾く予定です。毎年恒例となっている生きた演奏支援活動『サウンドスクール』事業としてお箏(こと)の体験をします。『聴く』というのは耳+目と心で聴くのです。目で聴くためには生(LIVE)が一番です。」(本来、日本で言うところの「こと」は「琴」ではなく「箏」という文字が正しいのです。)

明日2年合唱コン! 目で聴くためには生(LIVE)が一番。 教科担当