学力向上タイトル 「体感する」・・わかる 第一歩。  

千里 九これは、うまい。うまい鰹節が、土佐から土佐節として江戸に運ばれていた頃、『解体新書』は発刊された。この本を訳すにあたって、指導的な役割を果たしたのが知ってる人は知っている前野良沢だった。

鰹節削り 

 鰹節を削る

 鰹節

鎮座(写真1)

体感(写真2)

 いい匂い(写真3)

鰹節削り  ~ 削りあい ~  

  九中では、授業力向上を目指して、さまざまな工夫をおこなっています。6月16日1限は、少人数 国語の授業です。授業担当者は、にこにこ糠野T。クラスは、ふだんはひかえめシャイな2年6組でした。でも今日は、瞳輝く、しゅっーしゅっーでした。(左写真)

ターヘル・アナトミヤⅢ 

前野良沢は杉田玄白の友達である。前野良沢は、知人からオランダ書物を見せられ、言葉が違っても同じ人間!理解出来ないことはないだろうよ、と西洋の解剖書「ターヘル・アナトミア」を玄白らとともに訳したのだった。だが、発刊するにあたって、前野良沢は翻訳者に名を連ねることを拒んだ。オランダ語が出来るだけにその翻訳が完全でなかった、もっと、うまい訳はできなかっただろうか・・・と。

体感授業 いい匂い もっと、うまい授業はできないだろうか。うまいと言えば、やはり鰹節だ。今日の授業は、新しい国語2(東京書籍)食の世界遺産―鰹節(かつおぶし)である。鰹節は、世界一固いと言われている(1 機械・機会・奇怪)な食材である。だから魚へんに堅いと書いて、鰹というのか。納得。では、どうやって食べるのか?削るのである。削るための(2 機械・機会・奇怪)は桐の箱である。これは、借りてきた。一見するとカンナだ。生徒達は、鰹節を削るチャンス(3 機械・機会・奇怪)を与えられたのだった。さて、ここで問題である。

問い 下線部1、下線部2、下線部3の「きかい」の正しい漢字を選びなさい。(答えは国語の先生に聞いてください。)

鰹節は、カツオの肉を加熱してから乾燥させた日本の保存食品で、そのうち本枯れ節は「うまみの塊」と言われる。・・・だから学習室2に鰹節と削り器が鎮座しているのは必然だった(写真1)。鰹節は、2本で3千円の本枯れの鰹節である。清水の舞台から跳び降りる気持ちで、教科担当者が買ってきたものだ。ネット通販で。

全員が鰹節を削った 生徒達は、1時間かけほぼ全員が鰹節を削った。これも約20人の少人数の授業だからこそ(写真2)。生徒達は、鰹節を持ち、カンナの歯に向けて押す。しゅっー。しゅっー。箱の下には鰹節(写真3)。この削る感触を体感して欲しい。時折教科担当の糠野Tが、とんとんと金槌で歯を調整してくれる。やっぱりカンナだ。

くさーーーい。OR うーん、いい香り。学習室にある種のにおいが充満していく。このにおいに慣れていない人は、不快なにおいとして、臭く感じる。またある人は、目を閉じれば、そこは土佐の海岸、鰹節のたまらん匂い(いい香り)として、食欲をそそられていく。
 
教科担当者「教科書P60には、かつお節の製法が絵入りで詳しく説明されています。本を読み、鰹節について考える。この時、実際に鰹節を削り匂いを体感することが、鰹節に対する認識を深め、この教材を理解できるのだと思います。」

「鰹節は、日本が声を大にして世界に誇れる食べ物」 

小泉 武夫