学力向上タイトル 「2011年3月11日東日本大震災 新しい命の誕生

千里 九「生命の尊さについて、その連続性や有限性なども含めて理解し、かけがえのない生命を尊重する。」

 3年生道徳

  希望の「君の椅子」

 ワークシートに記入

道徳:あの日生まれた命(写真1)

道徳:希望の「君の椅子」(写真2)

道徳:ワークシート(写真3)

 中学校では2019(平成31)年度から”道徳”は教科となっています。ただ知識を覚えさせるだけでなく、問題解決的な学習や体験的な学習を取り入れ、知識をもとに考えるのです(参考:文科省ホームページ)。昨日24日の1限は、通常授業が再開されて初めての全学年道徳です。3年生では、3クラスが「あの日生まれた命(下写真)」について考えました。3年生道徳

 「中学道徳」きみがいちばんひかるとき

 3年某クラス、黒板には水無月24日(水)と書かれていた(写真1)。担任の先生は国語の先生である。生徒達は6月は、「水無月」というが、雨がいっぱい降るのになぜ?と思っているにちがいない。国語の先生が説明されたかたかどうかは定かではないが、ここでの”無”はないではなく”の”にあたる助詞として使われ、つまり、「水無月」は”水の月”ということであった。納得である。1限目は通常登校になって最初の道徳、さて納得して終われるか?

 生徒達は、「命を大切にする」ことを考えた。道徳の内容項目でいえば、主として自然や崇高なものとの関わりに関することで、「生命の尊さについて、その連続性や有限性なども含めて理解し、かけがえのない生命を尊重する」ことである。

 授業担当者による授業の流れはこうである。①東日本大震災のニュース映像を見る。「2011年3月11日、東日本大震災により、ごくあたり前の日常を送っていた人たちが、突然命を奪われました・・・(左上写真)。」余談であるがここ数年で自然災害が増加している。今日も千葉で大きな地震があった。暴風、大雨、洪水、雷、地震、土砂災害、火山の噴火・・、今年は新型コロナウイルス(自然災害OR人災?)が起こった。災害は、いつ、どこでおこるかわからないのを目の当たりにした2020年である。②東日本大震災の映像を見た後、先生は本時の目標「命を大切にするとはどういうことだろうか?」を黒板の中央に大きく書いた。何人かに発問する。「今生きている時間を大切にする」「精一杯生きる」「他人を傷つけない」・・・黒板に書き出す。③続いて教科書P24~28「あの日生まれた命」(震災で祖母がなくなった日に子どもが生まれた。お母さんは子どもが生まれたことを素直に喜ぶ気持ちになれない、複雑な思いを抱え続けた・・・)を読んだ後、複雑な思いに共感していく。(震災から1年、北海道から被災地で生まれた子どもたちに木製の手作りの椅子(写真2)が贈られた。お母さんの気持ちに変化が生まれる)命を大切にするとはどういうことだろう・・・。④改めて「あの日生まれた命」を読んでペアワークをしつつ考えた。他人の意見を参考に考えた内容をワークシートに記入し(写真3)、自分自身で納得する。味わう。答えはない。

  文法 味わうと味あう 身にしみて経験する=味わう。生徒たちはしっかりと道徳を味あう。味わう?先生は道徳を味わわせる?味あわせる?あれ、どちらが正しいのだろう。明鏡国語辞典によると、「『味あう』『味あわない』『味あわされる』とするのは誤りとある。正しくは、『味わう』『味わわない』『味わわされる』」。現代語の「味わう」は、ワ行五段活用の動詞である。「語幹」というのは、「変化しない部分」なので、「~せる」が下に連なるときにも、語幹を保存して「味わう」「味わわせる」となるのだ。納得。

生まれてくれて ありがとう 3月11日に生まれた君へ(君の椅子プロジェクト)