学力向上タイトル 道徳とは人間の魅力を考える時間

 さかなのなみだ

ワークシートの共有 

 道徳 研修

師範授業「さかなのなみだ」 (写真1)

ワークシートの共有(写真2)

研究授業終了後 教職員研修(写真3)

 中学校では2019(平成31)年度から”道徳”は教科となっています。ただ知識を覚えさせるだけでなく、問題解決的な学習や体験的な学習を取り入れ、知識をもとに考えるのです(参考:文科省ホームページ)。7月2日の5限は、「魅力ある道徳授業」を実践するため道徳教育の専門家、松原先生をお招きし、師範授業「さかなのなみだ(写真1、2)」を実践していただきました。終了後は、教員の相互交流と学習の場、生徒理解を深める場としての研修(写真3)をお願いしました。道徳「さかなのなみだ」

 学習指導部からの提案  

 学校において学習指導は生徒指導と並んで学びの両輪である。学習指導部が今回提案したのは、道徳の師範授業と研修であった。師範授業とは模範となる授業のことである。答えのないのが道徳とはよく言われるが、指導方法に関しても千差万別あるだろう道徳教育の目標は、「・・・人間としての生き方を考え、主体的な判断の下に行動し、自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を養うことを目標とする」と学習指導要領にある。千差万別ある指導方法のなかから道しるべとなるものを探したい。そこで指導方法やスキルを研究する。他人の授業を見学・研究することで自分の授業の参考になるところがあるはず。 Every man's neighbour is his looking-glass. 隣人は鏡だ。つまり、「人のふり見てわが振り直せ」ではないが、”道徳の授業方法”や”考え方を共有”し授業力のレベルアップを目指す。目指すなら本格派を学びたい。そこで日本道徳教育学会評議員の松原先生にご登場願ったのであった。先生は年間約80回幼保小中高で師範授業をおこなわれる本格派の先生であった。先生の趣味は「道徳」である。

 師範授業 6限開始前に1年某クラスに松原先生は現れた(九中教職員は他のクラスからリモートで授業見学)。他のクラスの終礼が終わって残されたクラス、いや選ばれしクラスである。先生「みんな座ってやー」。選ばれしクラスは初対面の先生に興味津々だ。「先生の趣味は”金剛山を登ること”と”道徳の授業をすること”やねん」等々の雑談で生徒との距離を縮めた。チャイムが鳴る。さぁ授業開始だ。

 今回の教材は「さかなのなみだ」(中学道徳「あすを生きる1」:日本文教出版)である。主題はいじめのない集団。ねらいは、いじめのない社会を実現していこうとする道徳的心情や実践意欲を培う、であった。この教材は、中学時代さかなくんがいじめられている子に寄り添った話である。道徳は何を勉強する時間ですか?人間の魅力を考える時間だと先生は伝える。「人間の魅力」を考える時間が始まった・・・。先生の範読を聞く。ひきこまれるようにお話が頭に染みていく。①さかなクンは何が言いたいのだろう?②さかなクンはそれを何で言いたいのだろう?すべての生徒が正解のない答えをグループで共有しハッスル!発する。で、「さかなクンの心の底には何があるの?」黒板には生徒の発したワードが、先生の手によって埋め尽くされていく(左上写真)。発言をすべて受け止める度に思考を深める。深まる。

さかなクン 協働学習 教導す