学力向上タイトル 「自由研究 数学 」・・寝る子は育つは本当か ~?

千里 九「寝る子は,育つか。そら、育つだろうというのは人口に膾炙している事実だが、それは本当かと疑問におもう九中生がいた。3年生である。なら、調べてみよということになった。好奇心の向こうに学力向上がある。」

数学1

数学2 

 数学3

寝る子は育つ 仮説(写真1)

寝る子は育つ調査用紙(写真2)

寝る子は育つ調査結果 (写真3)

  数学4~ 課題は授業の中にあった ~ 

  3年生数学の最後の単元は「標本調査」でした。その学習の中で、「自分たちの中学校の3年生について、1日の睡眠時間が何時間くらいかを、標本調査を行って調べなさい。」(教科書P.198 問1)という課題がありました。教科担当が「もしも、標本調査をするとしたら、どうやるのかを班で考えなさい。」と指示をしたところ、5組のある班が「性別と身長も聞きたい!」と答えたところから自由研究が始まったのでした。

 ~寝る子は育つのか~ ことわざの「寝る子は育つ」の意味は、よく眠る子は健康な証拠であり丈夫に育っていくということである。つまり、よく眠る子は、心身ともに健康だから安心して眠れる不安だらけじゃ眠れないものと辞典などでは説明している。科学的にも、人は寝ている間に成長ホルモンを多く分泌し、細胞を修復し筋肉を増やし骨を伸ばしている。昼間働きづめの大脳も寝ている間に休める。だから、寝る子は育つのだ。これは本当か?

 ~寝る子は育つに挑む~ 3年5組の生徒は、これは本当か?を確かめたかった。「寝る子は育つ」ということわざは本当なのかが気になって仕方がない、このままでは夜も眠れない。寝てくれないと九中生は育たない。・・・寝る子は、育つんや!と生徒に一蹴するのは簡単だったが、疑問をそのままにしないことこそが、「頭脳」を育てる。ユニークなアイデアをこのまま埋もれさすのは、もったいない!ということで、数学科担当藤本教諭が、この標本調査にGOサインをだしたのだった。仮説では、右肩上がりの正の相関になるはず(写真1)であった。

 標本調査用のアンケート用紙を作った。「私達は、寝る子は育つのが、本当なのかとても気になりました。そこで、くじで選ばれた人に、性別・身長・睡眠時間(1週間の平均)を聞いてみることにしました。どうか私達の好奇心を満たすために、標本調査にご協力ください(写真2)」である。次に乱数さいを振って、アンケートに答えてくれる人を3年生の中から無作為に48名を選んだ。数学の授業を利用して、アンケート用紙を配付、欠席していた人を除く、46名分の回答が得られた。

 この回答結果をもとに、自由にまとめて研究していいよと5組の各班は分析・検証し、円グラフ・棒グラフ・折れ線グラフなど知っている限りの方法を駆使してまとめた(写真3)。結果は・・・あれっどの班も、バラバラだった。「寝る子は育つ」は、この調査では証明されなかったが、人生の約3分の1は睡眠である。よく学び、よく寝て、自分の内面を磨けば、身長なんて関係ない。九中生は、授業中は起き(写真左上)夜眠るのだ。これは本当?

藤本T「子ども達は『寝る子は育つ』を、うそ・迷信と結論づけましたが、そもそも『寝る子は育つ』は寝たら、背が伸びるという意味ではなく、日ごろよく眠る子は丈夫に育つという意味です。その誤解は、解いておきたいです。でないと国語の先生に叱られてしまうので・・・。」 

学力向上 はじめの一歩は 好奇心 千里 九