学力向上タイトル 「持続可能な社会に主体的に参画するために

千里 九「リバ―シブルの形に出来上がっていく工程の不思議さやおもしろさがある教材がエコバッグである。」

 家庭科ミシン

家庭科:生活の自立 

 家庭科 アイロン

ミシンを使う(写真1)

あちこちで協働作業(写真2)

アイロンを使う (写真3)

  今C棟1階にある被服室でリバーシブルバッグ製作に奮闘する1年生の姿があります。ミシンをかける生徒、アイロンをかける生徒、針に糸を通す生徒などさまざまです家庭科の授業では、家族・家庭生活の多様化や消費生活の変化、さらにグローバル化や少子高齢化の進展、持続可能な社会の構築等、今後の社会の急激な変化に主体的に対応することができる資質・能力の育成を目指しています(新しい学習指導要領の改訂のポイントより)。
家庭科:エコバッグ

 家庭科と”布” 

 布といえばいきなりだが中国をお手本にして701年に完成した日本初の(大砲・大鵬・大宝)律令に話がおよぶ。この律令での租税制度が租調庸(そちょうよう)であった。あれっ租庸調ではないのか?以前は確かに”そようちょう”と呼んでいた。今の歴史の教科書では、「そ、ちょう、よう」、言いにくいなと思った方もおられよう。これは歴史学会が「租調」が物納、「庸」が労役であるため租と調をくっつけたためらしい。どちらも正解であるので問題ない。問題は”布”である。当時労役の代わりに”庸布”という税として布2丈6尺が大人1名あたり徴収されたのだ。”布”は貴重な財源で”布”は昔からえらいモノなの、であった。

 さて、中学校でこの貴重な”布”を取り扱う教科は技術・家庭「家庭分野」にほかならない。現行の学習指導要領では、「布を用いた物の製作を通して、生活を豊かにするための工夫ができること」なのだが、新しい学習指導要領では、「製作する物に適した材料や縫い方について理解し、用具を安全に取り扱い、製作が適切にできること」に踏み込んできた。また、「資源や環境に配慮し、生活を豊かにするために布を用いた物の製作計画を考え、製作を工夫すること」も期待されている。期待に応えようじゃないか。加藤先生!! 

 家庭科と”エコバッグ” 

 期待に答えるポイントは、何を覚えたかではなく”何が出来るようになるか”である。目標は明確だ。「リバーシブル・エコバック」をつくれるように、なるのだ(左上写真)。製作には8時間をかける。先週、家庭科のとある時間は1年7組だった。C棟1階にある被服室で連日リバーシブルバッグ製作に奮闘している。ミシンをかける生徒、アイロンをかける生徒、針に糸を通す生徒・・・。一学期にミシンの上糸かけ、下糸の入れ方・出し方の練習をした後ミシン縫いのテストを行なった。今ではその成果もあり、ミシンを使う手つきも慣れたもの(写真1)。布にチャコ鉛筆で線を引くところからスタートして、まち針を直角に打つ(打ち方に順番があるのは生徒たちは勉強済み)。その後、仕付け糸で仮縫いをしてミシンをかけていく。早く進んだ生徒は他の生徒の手助けをする協働学習も有り(写真2)。アイロンは先の方で、こうして押さえてずらす(写真3)。だんだんバッグの形になってくるのが嬉しい。汗と涙?で完成させるリバーシブルバッグが楽しみだ。 

 家庭科担当者「小学校では、ナップザック・お弁当袋などの製作で手縫いやミシン縫いを学習しています。中学校でも引き続き基礎縫い、ミシン、アイロンなどの作業を定着させ、生活の自立につなげていきたい。また、リバーシブル・エコバックはリバーシブルの形に出来上がっていく工程の不思議さやおもしろさがある教材であるとともに、環境に配慮した物として、これから生活の中で長く活用できると思い選びました。完成したら長く活用してほしいと願っています!」

エコバッグ子どもが伸びた場面かな