学力向上タイトル きみがいちばんひかるとき

千里 九「真に自分が納得するまで何事も十分に考え、どんな小さな物事でも根本を究める。あきらめない人のお話。」

真理を探究する

みちよの研究

 ワークシートに記入

道徳:本時の目標(写真1)

道徳:みちよさんの論文(写真2)

道徳:ワークシートに記入(写真3)

 中学校では2019(平成31)年度から”道徳”は特別の教科となりました。ただ知識を覚えさせるだけでなく、問題解決的な学習や体験的な学習を取り入れ、知識をもとに考えさせたい(参考:文科省ホームページ)。もちろん、豊中市立第九中学校においても教科書「中学道徳」を使って授業をおこない、”きみがいちばんひかるとき”を探究しています(下写真)。3年道徳

 特別の教科「道徳」

 「特別の教科道徳」とは、学校の教育活動全体でおこなわれる道徳教育とは別に、授業として教科書を使って、数学や社会などの他の教科と同じように授業が行う。とはいっても、今までも道徳の授業はしてきたわけで、何が変わるかというと①毎週行う。②担任の先生以外も道徳を行う。③通知表に評価が記載される。の3点である。全面実施は、4月16日から始まった。第一回となると何事も不安と緊張が入り交じる。3年某クラスの初回はなぜ、「道徳の授業は必要なんだろう?」という「?」で始めた。道徳の授業が他の授業と違うところは答えが1つではない。教師がこうだ、こうだろう押し付けない。・・・それから1学期が過ぎた。

 根本を究めて ~「お茶博士」辻村みちよ

 2学期最初の道徳は、資料「根本を究めて -「お茶博士」辻村みちよ である。内容項目は、「真理の探求、創造」だった。この資料では特に、真理を探究するのに大切なことについて焦点を当てる。本時の目標は「真理を探究するのに大切なことは何だろう(写真1)」だった。教材を進める前にクラスの生徒に意見を聞いてみる『真理を探究するのに大切なことは何だろうか?』生徒A「物事を客観的に見ること」B「あきらめない心」C「その研究を好きになる」的を射た意見が続出・・・。そこで、辻村みちよさんという研究者の人生を追った。 

 さて、世界でいちばん広く飲まれている嗜好飲料はなんだ?もちろんお茶である。麦茶に玄米茶、緑茶にウーロン茶・・・お茶は健康に良いのも広く人口に膾炙している。お茶を飲むのはクール!しぶいぜ!そのお茶の”渋み”の成分がタンニンだと明らかにしたのは、”担任”の先生以外であった。いや、日本初の女性農学博士、辻村みちよであった。資料集でその人生に触れていく。幾多の試練を乗り越え「あせらず、ゆっくり、たゆみなく」の末、論文を発表する(写真2)。普通ならあきらめる。どうしてみちよは、「あせらず、ゆっくり、たゆみなく」という信条を貫けたのか?意見を出し合いワークシートに記入していく。最後は一人思考だ(写真3)。教科担当者は最後に、もう一度生徒に問いかけた。『では、真理を探究するのに必要なことについてもう一度考えてみよう』D「僕も数学が好きなので共感するところがあります」E「みちよさんが『年月を決めて結果が出ないと承知できない人には化学は出来ない』といっているので、『時間』は大事だと思う」。確かに、結果が出るまで厳しい時間をあきらめず、たゆみなく研究するというのは簡単なようで難しい。それに生徒が自分で気がついたのが嬉しい。

 授業担当者「中学生くらいになると、建前を知っている。しかし、知っているのとわかっているのとはまた違うと思う。知っているつもりで通り過ぎていては、道徳性は深まらない。そこを立ち止まって考え深めるのが、道徳の授業の意味ではないでしょうか。」

考えて 右へ左へ 探究す