6 キ

今回は、ゲストとしてマグロの解体と美容師を仕事にされている方に

お話をしていただきました。

マグロの解体ショーなど、魚市場で働いておられるJさんと、

美容室を経営されながら、新しいシャンプーなどを開発されている

Yさんのご夫婦です。

お二人は全身からハッピーオーラが輝いているように見え、

学校に来られた時から明るくて賑やかな雰囲気でした。

授業が始まる前からジョークを言いながら

子どもたちの緊張する心を解かしていきます。

普段、どちらかというと真面目で引っ込み思案に見える6年生も

その雰囲気に安心したのか、「いえーい!」の声に反応します。

お!すでに場の雰囲気が変わってきてる!と思えるスタートでした。

 

JさんやYさんの働く姿を写真でみせてもらったり、

説明を受けると、「かっこいい!」「すごい!」の声があふれます。

「お二人は何歳でしょうか?」

「お二人が飼っているねこの名前は?」

「お二人は何屋さんでしょうか?」

などの質問に賑やかに答えていく子どもたち。

すると・・・

「Yさんの性別は?」

子どもたちは、「女性」に挙手します。

今度は「Jさんの性別は?」の質問に

子どもたちは何か感じたのか、

「男性」と思った人がほとんどでしたが、

「その他」と思った人も10人ほどいました。

すると、正解は「男性」と明かされました。

 

しかし、「Jさんが生まれた時の性別は?」との質問で

正解が「女性」だったことに、一様に「え!?」となりました。

Jさんは生まれた時から自分は男の子だと思っていたのですが、

家族を始め、周りの人たちがみんな「女の子」として

名前をつけたり、かわいい女の子の服装を着せたりして、

Jさんの気持ちと正反対でした。

Jさんは、心と体の性別が違うトランスジェンダーだったのです。

3歳の七五三の写真では、着物を着てふくれっ面のJさん。

なぜかとの質問に、子どもたちのピンときたようで、

「衣装?」との声が挙がりました。

でも5歳の七五三の写真ではニコニコ笑顔のJさん。

なぜかとの質問に、「男の子の服装をしているから」との声。

5歳の時には自分でお父さんのようなカッコいいネクタイをしたいと

お願いして、ネクタイをしめた姿だったので

ニコニコ笑顔だったのだそうです。

 

そんなJさんが小学生になり、

当然のように赤いランドセルを背負っていかなければならなくなったとき、Jさんは「このランドセルさえなければ・・・」と思い、

ある決断をしたそうです。

そこでクイズ。小学生のJさんが考えた赤いランドセルをどうにかして背負わなくてもよくなる方法は?

子どもたちも「墨汁をかける!」「黒の絵の具をかける!」「油性ペンで塗る」「黒いテープを張る」

「キーホルダーをたくさんつけて赤が見えないように埋める」「手提げで行く」「黒いカバーをかける」

など、たくさん予想を立てました。

Jさんが考えた方法。それは、”牛乳爆破事件”。

赤いランドセルの中に牛乳を4つ詰め、

高い塀の上から飛び降りて、ランドセルを踏んづけ、

中の牛乳を”爆破”させることによって、

お家の人と先生に、ランドセルではないかばんをもっていくことを許可してもらったそうです。

でも、状況が変わるわけでもなく、自分は心が男であることを親や周りの人に知られると、

嫌われてしまうと思い生きていたそうです。

”女の子”だから、休み時間はドッジボールじゃなくて大繩跳び。

”女の子”だから、ズボンではなくスカート。

”女の子”だから、折り紙の色は赤やピンク。

”女の子”だから、野球部ではなくソフトボール部。

などなど、”男の子だから”、”女の子だから”と決めつけられることが当時はとても多かったそうです。

選ぶ自由がほしかったそうです。

 

30歳で初めて同じ悩みを抱えた人と出会い、初めて「自分は生きていていいんだ」と思えたそうです。

そこから性転換手術をして、晴れて体も男性となり、Yさんと出会って結婚し、

人と違うことはダメなことではないと思え、ハッピーになれたそうです。

 

Yさんは同級生が16人という少人数の学校で育ち、

その中には障害を持った人も何人もいて、

耳が聞こえない人もいたため、学校の先生始め全員が

普通に手話でコミュニケーションをとっていたそうです。

高校に行き、学校の先生が手話をしないことに衝撃を受けたそうです。

また、人数が少ないため、野球やドッジボールは男の子の遊びではなく、

「みんなでやるもの」という中で育ってこられました。

だからこそ、Jさんのことを知っても、

何の偏見ももたれなかったのでしょうね。

 

「自分らしく、ハッピーに生きること」

Jさんはこれをモットーに毎日ハッピーに過ごしておられます。

みんなも、これから10人に一人いるといわれているLGBTQの人と出会い、

勇気をもって、あなたを信用してカミングアウトされたとき、

今日のお話を心に留めておくことで、「言ってくれてありがとう。」と返すことができます。

 

まだまだ世の中には偏見がある中ですが、

みなさんも「ALLY(アライ)」=「LGBTQを理解・支援し、寄り添う意思を持つ人」

になってほしいと思います。