12月の全校朝会がありました。校長室からオンラインで行い、子どもたちには次のようなお話をしました。

11月24日(木曜)~12月7日(水曜)は、少路小学校の読書週間になっています。みなさんは、図書館のイベントには参加しましたか? たくさん本が借りれますが、どんな本を読みましたか? 今日は、図書館から借りてきて読んだ本の感想を話します。

この本は、宮大工の小川三夫さんの著書『不揃いの木を組む』(文春文庫)です。宮大工という仕事は、主に神社や仏閣などの建築、修繕を手がける職人のこと。小川さんは法輪寺三重塔や薬師寺西塔、金堂などの再建に、副棟梁として活躍された方です。また、宮大工になりたいという弟子を育てるために「鵤工舎」という学校を設立します。

小川さんの話によると、法隆寺五重塔や薬師寺東塔(約1300年前から現存する国宝)の内側から見ると、「不揃いな木」ばかりでつくられており、それら一本一本が支え合っているからこそ、1000年を超えても立ち続けることができているのだと言う。

建築物は場所によって、かかる力の強さや方向が異なるため、それぞれの木材の強度に合わせて組み合わせるのだそうです。その技術を宮大工の世界では、「総持ち」(そうもち)と言う。「総持ち、みんなで持つ。不揃いこそ、安定感があるし、強い」と仰います。

小川さんの仰る「不揃い」とは、それぞれの「個性」「持ち味」のことだと考えます。一人ひとりがもって生まれた「個性」や「持ち味」は、まさに不揃いで、オンリーワンです。これからの仲間づくり、学級づくりに「総持ち」の考え方を活かしてみましょう。

12月4日(日)から12月10日(土曜)は、「人権週間」です。国連は、世界人権宣言が採択された12月10日を「人権デー(Human Rights Day)」と定めています。

学級の一人ひとりの違いや持ち味を認めたり、自分や友だちの素敵なところを見つけて、それぞれが大切な存在であることを改めて知る、考える、そういった一週間にしていきましょう。