5年学級通信より

 運動会が終わって、気が付けば、10月も折り返しです。運動会前は、休み時間も実行委員会の集まりがあったり、自主練習があったりと駆け抜けていたので、その運動会が終わってほっとしていたらもう数週間経っていたというのが正直なところです。

 今年の運動会は、高学年として初めての運動会。リレーに挑戦し、ダンスもソーラン節に群青ダンスと2本立て。数年ぶりに全校児童そろっての運動会。コロナ禍でいろいろなことが制限されてきた子どもたちですが、自分の力を出し切ることや友達とつながるよさを感じてほしいと願い、子どもたちと毎日過ごしてきました。

 最初にバトンのパスを練習したのは、1学期末頃でした。まだまだ遊び半分な気持ちで楽しそうにバトンを渡していた子どもたち。2学期。本格的に練習を始める前には、私からこんな話をしました。「本番だけ、本気を出すのは本物じゃない。練習から、どうすればいいか考え、それを行動に移す。それでこそ、本物。みんなには、本物になってほしい。」

 実は、運動会の練習中、クラスは3チームともいつも1位を独占していました。他のクラスからも一目を置かれてるぐらいです。では、全員が走るのがとてつもなく速いとか、みんな走るのが好きかというとそうではありません。リレーで大切なことは、一人一人の走る速さよりもスピードに乗って、スムーズにバトンパスが出来るかどうかということです。その練習の仕方を教えましたが、始めからうまくいったわけではありませんでした。相手を信じて走り出すというのはなかなか難しいことだと思います。何度も何度も練習する中で、子どもたちは、自然と声を掛け合っていました。数メートル前から「走って!」「ゴー!」と声を出すことで、その声を信じて走り出すことができたグループはどんどんうまくなっていきました。本当に子どもの力、集団の力はすごいなあと思います。一つできるともっとできるようになりたいと思う。誰かの役に立ちたいと本当にみんな思っているのに、なかなかそれが素直に表せない子もリレーでバトンをつなぐことで、「うまくいたったな」「ありがとう」と言い合える。林間学舎の時に、自分のことに必死で朝食づくりに時間がかかりすぎ、協力することを学んだ子どもたちでしたが、バトンをつなぐことでまた一歩成長することができたと思います。

 当日は、学年全体が力を出し切ったことで、子どもたちが思っていた結果とは違ったところもありましたが、そこで見せたやり切った表情も、悔しい表情も本物の証だと思っています。

 ソーラン節は、一曲踊りきると汗が噴き出るぐらいハードなものでしたが、実行委員を中心に毎日練習に励んだことが見ている人に伝わった演技だったと思います。運動会後には、他学年の児童や先生から「かっこよかったよ!」「涙出た!」と声をかけてもらいました。子どもたち一人一人が自分の漢字一文字を背負って踊りましたが、その思いをこれからも持ちながら前進してほしいと思います。

今週のことば

 人間は他人のことを思いやって行動し、よい結果を得た時に、心からの喜びを感じるものである。その喜びこそ、人間愛に基づくほんとうの「幸せ」なのである。(宮沢賢治)

運動会の感想文より(一部抜粋)

・練習でリレーをやった時に一位が取れてうれしかったです。でも、それでゆだんしたらだめだなと思って、ぼくもしんけんにバトンパスやかけ声などを考えたりして、そこからみんなめっちゃよくなっていって、ぼくも負けられないと思って、家で足が速くなるトレーニングとかやったりしました。

・ダンスは、ソーラン節と群青をおどりました。服の後ろの文字は「直」という字にしました。その理由は素直でずるをしないという意味です。ソーラン節はとても激しい動作が多くとてもつかれます。リレーと同じく練習も本番だと思っていどみました。その結果、最高なダンスでお母さんもお父さんもとてもほめてくれました。

・今まで一度もリレーで負けたことがありません。ですが、当日最後の最後でがんばったけれど負けてしまい、とてもくやしい気持ちにつつまれました。私はこんなにもくやしい気持ちになったのは初めてでした。いつも、負けると「ああ、負けたなあ」くらいです。くやしい気持ちでたくさんだったのでしばらくボーっとしていました。でも、もうすぐソーラン節がはじまると思うとこう思えてきました。「このくやしい気持ちをふきとばすようにおどろう!」

・家に帰って、ママとパパに「よかったよ~!」や「いいものを見せてもらった。ありがとう!」と言ってもらいました。私はとてもうれしくて、思わずママとパパに飛びつきました。5年生の運動会は、リレーでは私のチームは二位という結果になってしまいましたが、練習の時から順番を変えてできるだけ速いタイムを出せるようにとがんばり、全力を出せたと思いました。ダンスでは、やりたかった南中ソーラン節をすることができてよかったです。スローガンの「全力!努力!チーム力!」ができたと思いました。