学び続ける先生でありたい、先生も学び続けないといけない、というのはこれまでにも事あるごとに言ってきました。

今回、新規採用1年目の先生が研究授業を行いました。経験のある先生も研究授業や公開授業を行いますが、1年目の先生は初任者研修とともに年に3回以上"修行"という名の研究授業が課せられています。

3年生の算数『三角形のなかま分け』の単元でしたが、教科書・ノートは基本ですが、スクリーン提示やタブレットの機能を使って一人ひとりの作業結果を全体での共有、なにより「よかったな~」と思ったのは、完全アナログですがプラスチックの棒教材(以後プラ棒)という具体物を使って個々に作業が出来たこと。

教科書では色違いのストローですが、それではなかなか作業が難しく、タブレットで動かそうとするもなかなか意図した動きにならず、そこで編み出した…というか探し出した東丘小に眠る秘宝教材であるプラ棒の使用により、アナログ・デジタルが非常にバランスよく融合した内容になったのではないかと考えています。

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子どもたちもプラ棒でいろいろな三角形を作って、それをタブレットで画像化し、なかま分けをみんなで共有するという一連の流れがスムーズでした。連日「あーでもないこーでもない」と試行錯誤をしながら、前日の放課後まで最終の調整をしていた先生の姿を知っているので、その労力分が子どもたちの学びに活かされたと嬉しく思います。しかし、授業づくりは先生の一人よがりで完成するものではなく、学ぶ子どもたちがあってのもの。なので、子どもたちが何をどのように学んだのか、何が出来るようになったのか、そんな視点もしっかり盛り込んでいます。

教科書・ノート+ICT・タブレットが❝ハイブリッド❞というなら、さらに具体物が融合した3種の混合は❝トリプリッド❞とでも名付けましょうか。いや、二刀流から三刀流になったとしましょうか。授業づくりは一刀流でも簡単ではないですが、二・三刀流となればそれを組み合わせて授業を展開するという巧みな構成と、それ相応の事前準備が必要です。

 

しかし、それが子どもたちにとって学びの充実になるのであれば、身を削る・プライベートの時間まで授業準備…はやりすぎですが、与えられた時間と材料を駆使した創意工夫や試行錯誤は大切です。

授業は何十年も取り組む中で、最高の、理想の、完璧なものまでいつ辿りつけるかわかりません。その実現は、教員を退職する最後の日の最後の時間なのか、実は振り返ればピークだと思える理想の授業が実践出来ていたのか、はたまた追い求めていても最後まで辿りつかないのか…。

今はうまくいかなくても試行錯誤を繰り返し、その中で見つけた「ベター」を積み重ね、限りなく『ベスト』に近づけるよう、とにかく自己研鑽しながら学び続けていくしかなさそうです。『立ち止まらなければ失敗はないのです!』という偉い先生の言葉を励みにベテラン・中堅も頑張りますが、経験の浅い先生方には"経験則"という財産が形成されるまで、厳しい修行に勤しんでいってほしいと思います。(私も頑張ります(-_-;))