平和学習
  10月12日(金)6時間目に人権講演会(「平和学習」について)に取組みました。

 平成30年度から厚生労働省と広島市、長崎市が協力して、伝承や朗読ボランティアを全国に無料で派遣する事業がはじまり、その事業で長崎から遠路平田周さんにおいでいただきました。この家族・交流証言者事業は、被爆者から直接受け継いだ被爆体験や平和への想いを語り継ぐ事業です。

 平田さんの祖父である「松尾あつゆき」さんは、1945年8月9日生地長崎で原爆に遭われました。原爆で奥さんと、四人の子どものうち長男、次男、次女の三人を失ないました。平田さんのお母さんは長女で、そのとき勤労動員により工場で働いており、そこでひどいやけどを負い重症だったそうですが、生き延びられました。

 その原爆当時の様子について、祖父のあつゆきさんが詳細な日記を書かれており、その日記を平田さんが朗読されたことで、そのときの情景が目に浮かんできました。

 祖父のあつおさんが平田さんのお母さんである長女を探しにいき、やけどを負われた長女に出会う場面、原爆後の荒廃した町の中家まで戻り防空壕で見つけた長男の様子、奥さんと幼い次男、次女を見つけたときの様子。その後亡くなった子ども3人を火葬する場面。奥さんが8月15日になくなったときの様子。克明に綴られていました。

 祖父のあつゆきさんは俳人でもあって、終戦のその日に奥さんが亡くなられたことを詠んだ俳句に「降伏の みことのり 妻をやく火 いまぞ熾りつ」があります。この句は、長崎平和公園の「祈りのゾーン」にある「松尾あつゆき原爆句碑」に刻まれています。

 講演の後、生徒たちがこれから成長していく中で、節目節目に今日の話を思い出だして、平和への想いを強くしていってもらえたらと平田さんはおっしゃっていました。

 

事前学習 講師 平田さんの紹介
講演の様子   講演の様子