朝、正門に立って挨拶をしていると保護者の方から「子どもが全校朝会で校長先生が紹介された本が気になっているようで、本の題名を教えてもらえませんか」と声をかけていただきました。ありがとうございます。

先日あった9月の全校朝会は、体育館でスライドを使って子どもたちに次のようなお話をしました。

不揃い(ふぞろい)だから素晴らしいというお話です。

みなさんは、この夏休みにどんな本を読みましたか?読書ノートに取り組んだ人もいると聞いています。

校長先生は、この本を図書館から借りて読みました。宮大工の小川光夫さんの著書『不揃いの木を組む』(文春文庫)という本です。読んだ感想を話します。

宮大工という仕事は、主に神社や仏閣などの建築、修繕を手がける職人のこと。小川さんは法輪寺三重塔や薬師寺西塔、金堂などの再建に、副棟梁として活躍された方です。また、宮大工になりたいという弟子を育てるために「鵤工舎」という学校を設立します。

小川さんの話によると、法隆寺五重塔や薬師寺東塔(約1300年前から現存する国宝)の内側から見ると、「不揃いな木」ばかりでつくられているそうです。「不揃いな木」一本一本が支え合っているからこそ、1000年を超えても地震で倒れることなく立ち続けることができているのだと言います。「不揃いだからこそ、安定感があるし、強い」のだと。

建築物は場所によって、かかる力の強さや方向が異なるため、それぞれの木材の強度に合わせて組み合わせるのだそうです。その技術を宮大工の世界では「総持ち」と言うそうです。

小川さんの言う「不揃い」とは、それぞれの「個性」のことだと考えます。一人一人がもって生まれた個性は、不揃いで、オンリーワンです。

2学期、これからの仲間づくり、学級づくりに「総持ち」の考え方をいかしてみましょう。

9月10日(火)は2・4・6年の人権参観、9月12日(木)は1・3・5年の人権参観があります。

学級の一人一人の違いを認めたり、自分やお友だちの素敵なところを見つけて、それぞれが大切な存在であることを知る、考える、そういった機会にしてほしいと思っています。

仲間とともに輝く大池小学校をみんなでつくっていきましょう!