であいとつながりをもとめて

謹賀新年

 

新年あけましておめでとうございます。

昨年11月17日にふれあい教育協議会主催の「子育て講演会」がありました。花園大学の橋本和明教授をむかえて、「発達障害の子育て、子育ちを考える」というテーマで話していただきました。「コミュニケーションが苦手な子どもたちが増えているのではないか。感情をうまくコントロールできない子どもが増えているのではないか。その背景の一つに発達障害の課題があるのではないか。」との問題意識での講演会でした。当日は、保護者の方にたくさん参加していただけました。次の感想にもあるように、その中で語られていったのは、伝える側のコミュニケーションのあり方が大事であるということでした。

◆  発達障害をもった人(子ども)に対して、じゃぁどうしたら良いの?には、こちら側(伝える側)が通じるコミュニ ケーションを取ることが大事!という話がわかりやすく、対応しやすくなった。その他にも、とてもわかりやすく話していただきありがとうございました。保育士をしているのですが、今後の仕事でも参考にさせていただこうと思います。

◆  発達障害の特性を理解する大切さがよくわかり、先生の語りに聞き入ってしまいました。行動を見ていく時に、気をつけることや言葉のかけ方等、具体的に教えていただきましたので、ほめる時の言葉、声のかけ方は具体的に伝えるということを心がけていきたいと思います。我が子にかかわる時も発達障害の子にかかわる時も、大切なことは同じなのかなと思うところもありました。勉強になりました。

◆  子どもと接する時に大切にしなければならないことをたくさん教えていただきました。また、大人との対応も相手のことを理解しながらわかりあっていければと思いました。ありがとうござました。

 コミュニケーションについては、発達障害に関わらず、目の前の子どもたちと関わっていく時に常に大事にする視点であると感じました。それがきっと「子どもの人権が尊重される学校づくり」につながっていくものだと思います。そのことを大切にしながら、今年も六中教職員は、地域・保護者の方の力をお借りしながら、全力で取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

 さて今年は、第六中学校創立70周年を迎えます。そこで70周年という節目にあたり、これまで築き上げてきた伝統をふり返るとともに未来を展望していくために、「準備委員会」では、70周年記念事業をどのように進めていけばいいのかを話し合っています。スローガン(テーマ)としては「伝統をうけつぎ、未来をつくる」に決まりました。これまで六中が積み上げてきた「よき伝統」をしっかり受けつぎ、未来の「魅力ある学校づくり」につなげていってほしいとの考えからです。その軸は、やはり生徒会活動だと思います。校長室の書棚には、ポプラ(生徒会誌)が1号から43号までそろっています。昭和32年(1957年)に1年間の生徒会活動の取り組みのまとめとして創刊され、2001年の43号まで毎年創られてきました。次の文章は、ポプラ39号(1996年)に掲載されていたもので、当時の中学生シンポジウムで発表されたものです。

 「六中がなぜ生徒会活動を大切にするか」(中学生シンポジウムで発表)

 〇 六中は生徒会活動に力を入れていると言われますが、なぜでしょうか? 

  それは10年ほど前に、六中がすごく「荒れ」ていたとき、授業がとてもうるさかったり、ゴミがいっぱい落ちていました。そして何よりもみんなの気持ちや人間関係がバラバラだったと思います。そんな中で、当時の生徒会の役員をしていた先輩が、一生懸命話し合った結果<クリーン作戦>と呼ばれる大掃除を始めました。第一回には約100人の有志が集まり、力を合わせて学校をきれいにしました。この取り組みが、今の生徒会活動の根本になることだと思います。そのような先輩方の思いは、すごく大きなものだと思うし大切なものだと思います。その中には<仲間づくり>も含まれます。ただの友だちではなく、本当に話し合える、そんな仲間をクラスをはじめ、学年でつくっていこうということです。「障害」をもった仲間や学校に来にくい仲間のことについても考えてきました。そして3年生では、進路の壁についてみんなで考え、打ち破っていく取り組みとして<進路委員会>があります。2年生では、耳の不自由な仲間がいることから<手話>の取り組みを1年生のころから取り組んでいます。さらに1年生では、授業態度が先生によって変わることやイジメの問題について<拡大代議員会>で話し合っています。このように学校生活すべての場面で、生徒会が取り組む「仲間づくり」が関わっています。だから、この六中の生徒会活動が活発でないと、クラブや生徒会行事も盛り上がらなくなると思います。そして今まで続けてきた「仲間づくり」もすべて台無しになってしまいます。そんな事が起こらないように、生徒会活動を日常的な活動にするために、さらにより多い生徒が関わる活動にするために<専門委員会>を月一回授業時間内に開いています。さらに、生徒会活動の基礎の取り組みとして、クラスの問題などを担任の先生と考えていくために、月一回<HR委員会>も同様に時間をとっています。どうしてこのような事ができるのかと言うと、学校の荒れを克服し、より楽しいものにしていくために、学校の主人公である生徒の力をぬきにしてありえないと先生方も考えてくれたからです。ことばをかえれば、生徒の自主性、自治を先生方も大切に考えてくれたからです。それに応えれる生徒会活動をつくっていかねばならないと思います。

 

 そんな思いを受けついでいきながら、今年のスローガン「レベルアップ~自分たちから行動し仲間とともに一歩ずつ」へとつながっていっているものだと思います。70年の節目に改めて原点に立ち返りつつ、「伝統をうけつぎ、未来をつくる」をテーマにした“六中らしい記念事業”となればと考えていますので、よろしくお願いいたします。