であいとつながりをもとめて

   学校教育自己診断の結果より

 12月に実施させていただきました「学校教育自己診断」の結果が出ました。この紙面を借りて項目に分けて、報告させていただきます。なお、肯定的評価を(よくあてはまる、ややあてはまる)、否定的評価を(あまりあてはまらない、まったくあてはまらない)の数値で見ることとします。全体を見れば、生徒・保護者ともすべての項目において、前回調査(2013年度)と比較して「肯定的評価」が上がっています。太字については、前回よりおよそ20ポイント以上数値が上がっている項目です。(経年比較のグラフについては、別紙のとおりです。)

<生徒アンケートから>

1.学校生活全般について

「1.学校へ行くのが楽しい」では、(65→82)、「2.自分の学級は楽しい」(73→88)、11.学校行事は積極的に参 加し、楽しむことができる」(63→8713.部活動は積極的に参加している」(65→84等に見られるように、前回より15~24ポイント上昇している。

 まず、学校生活が楽しいという実感を多くの生徒が持てるようになっていることは、一人ひとりが落ち着いた状態の中で、頑張りがつくられているからだと思われる。

2.教職員との関係について

「3.先生は生徒の意見を聞いてくれる」では、(68→84)、5.授業でわからないことについて、先生に質問しやすい」(53→76)、「8.悩みや相談に親身になって応じてくれる先生が多い」(40→74)、「9.先生はいじめなど私たちが困っていることについて真剣に対応してくれる」(47→83)、「10.担任の先生以外にも保健室や相談室等で、気軽に相談することができる先生がいる」(36→73等、特にこの項目では前回と比較すると大きく16~37ポイント上昇していることがわかる。学校教育活動においては、教職員と生徒との信頼関係がベースであることを考えれば、非常にいい関係を構築していけているものと思われる。ただし、8.10.の項目では、否定的評価についてもまだまだ22ポイントあるので、より信頼関係を高めるよう努めたい。

3.学習・授業内容等について

 「7.通知票の学習成績は、納得できる」では(69→80)、14.道徳の授業や学校生活の中で、命の大切さや社会のルールについて学ぶ機会が多い」(60→87)、「15.人権について学ぶ機会が多い」(44→78等については、11~34ポイントも大きく上昇している。学校・教員からの学習や取り組みの中でのメッセージが少し届いてきているのだろうと思われる。

 また「4.授業の中で『できた』『楽しい』と感じる場面がある」では、83ポイントと高い数値を示している。(前回調査にはない)これは、「自己肯定感を高める授業づくり」という本校の研究テーマに基づく実践が、少しずつ浸透しているように思われる。

4.その他

 「12.生徒会活動は活発である」の項目では、生徒・保護者とも同じ86ポイントと高い数値を示している。スローガン決め、あるいは生徒総会等、学校全体で考えていこうとしている取り組みが、浸透しつつあるのではないか。

 

<保護者アンケートから>

1.教育活動全般について

1.保護者・地域の願いに答えている」(63→85「5.生徒指導の方針に共感できる」(65→79)、「8.先生は子どものまちがった行動を厳しく指導してくれる」(69→82)、「10.いじめや暴力のない学校づくりに取り組んでいる」(65→78)、「11.将来の進路や職業などについて適切な指導や情報交換を行っている」(49→69、「16.子どもに生命を大切にする心や生活のルールを守る態度を育てようとしている」(67→80)17.子どもに人権を尊重する意識を育てようとしている」(55→78と、肯定的評価が前回より13~23ポイントと大きく上昇していることがわかる。一定、子どもたちが落ち着いた状況の中で学校生活が送れていることの反映だと思われる。ただし、11.の項目では否定的評価も26とまだまだ高いので、より情報交換をすすめていくのが課題である。

2.保護者・教職員の関係及び家庭との連携について

 「2.家庭への連絡や意思疎通を積極的にきめ細かく行っている」(66→76)、「7.子どものことについての相談に適切に応じてくれる」(64→75)「9.先生は子どもを理解している」(61→66)、18.先生は、すべての教育活動において、子どもの人権を尊重する姿勢で指導にあったっている」(59→78、「20.子どもの心身の健康について、気軽に先生に相談できる」(63→68)と、たしかに肯定的評価は上がっているものの、否定的評価も9.の項目で29ポイント、20.の項目で28ポイントとまだまだ高い数値でもあるので、より信頼関係を結ぶ努力が必要と考えられる。

3.子どもを通して感じることについて

 3.授業が楽しく分かりやすいと言っている」(38→57、「6.学校に行くのを楽しみにしている」(70→80)、「12.学校に友だちが多いと言っている」(73→73)、「13.体育大会、宿泊行事などの学校行事に積極的に参加している」(85→92)、「15.積極的に部活動に参加している」(79→81)と肯定的評価が、ほぼ横ばいから19ポイントまで上昇がみられるが、一方で否定的評価では12.の項目で25ポイントと高い数値を示していることが気にかかる。また、3.の項目では、否定的評価が40ポイント(前回は57)とまだまだ課題がある。今後とも、学力向上と仲間づくりの取り組みを丁寧にすすめていく必要があると思われる。

4.その他

 4.通知表は、子どもの学力や達成度をわかりやすくあらわすように工夫されている」(58→79と21ポイントも上がっているが、今年度より年間指導計画の作成および通知表の改訂等により改善されたものと思われる。14.生徒会活動は活発である」(65→86は、生徒と全く同じポイントで高くなっている。「19.地震や台風などの場合の対応については、子どもや保護者に行動マニュアルが知らされている」(74→79)は、大きな変化はない。

<まとめ>

「自分になかなか自信がもてない」「悩みを誰にも相談できない」という六中生の課題をふまえた学校目標「自分をあきらめず、人とつながり行動できる力を」のもとでの取り組みの方向性については、少しずつ理解が深まってきているように思います。そして、子どもたちが落ち着いた状況の中で前向きに頑張る姿を多くの場面で見せてくれていることで、学校・教職員への信頼も少し高まってきているのだろうと思われます。しかし一方で、まだまだ相談できる教職員が見えなかったり、「わかる授業づくり」を軸とした学力向上の取り組みの弱さを感じられたり、改善すべき課題があります。そして、「『自治の力を高める』ためにも、私たち大人が子どもたちの思いにしっかり耳を傾け、思いを伝えていけているのかが問われるのではないか」等のご意見もいただきました。アンケート結果をふまえ、いただいたご意見等についても、今後学校として整理する中で取り組みにつなげていければと考えています。

ご協力ありがとうございました。