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  全国学力・学習状況調査から見える六中生の課題

  4月19日(火)に実施されました全国学力・学習状況調査(中3対象)の結果が届きました。新聞等でも全国的な状況としては、格差が少し縮まり底上げがされてきているのではないかとの報道がされていました。個人票については、本日子どもたち(中3)に返却していますので、各自の課題等については見ておいてほしいと思います。ただし、この調査結果はあくまでも学力や学習状況の一部であり、生徒の学力状況や教育活動すべてを表すものではありません。その上で、六中生の全体的な状況や課題等について、この紙面を借りてお知らせします。

【1】  教科にかかる結果概要について

<国語>

○国語ABとも、改善の傾向がみられるが、学習指導要領の領域でいえば「書くこと」(評価の観点では、「書く力」)に少し課題が見られる。

○「国語の勉強は好きですか」、「国語の勉強は大切だと思いますか」等では、「当てはまる」「どちらかというと当てはまる」を合わせると府・全国と比べて高い。

 

<数学>

○数学ABとも、大きく改善の傾向がみられるが、学習指導要領の領域でいえば、「関数」「資料の活用」に少し課題が見られる。

○「数学の勉強は好きですか」、「数学の勉強は大切だと思いますか」等では、「当てはまる」「どちらかというと当てはまる」を合わせると、府・全国と比べて高い。

 

【2】  基本的生活習慣について

〇「朝食を食べていますか」等の項目では、昨年度と比べると改善傾向にあるが、「早寝・早起き」の習慣(「同じくらいの時刻に寝る・起きる」)については、府や全国と比べると課題が見られる。

○ スマホ・ケータイ等の長時間の使用(4時間以上は府・全国より低い)は減少しているものの、多くの六中生がスマホ等を持っている状況(「持っていない」数値が低い)なので、依存に陥らないように注意が必要である。

 

【3】  自己肯定感について

○「自分には、よいところがあると思いますか」の項目についても、上向きの傾向(「当てはまる・どちらかといえば当てはまる」では、府・全国より高くなった)がみられるが、まだまだ自分に自信のない層が厚い状況は変わらず「夢や目標をもっていますか」等は少し低い状況である。

○「学校に行くのが楽しい」の項目で、「あまり思わない」数値が少し高いのが気にかかる。さまざまな取り組みに対して、前向きに頑張って達成感はもっているものの、併せて不安感を抱えている層も多いことが見てとれる。

 

【4】  家庭学習について

〇「授業以外での勉強時間(平日)」「土日の勉強時間」では、「全くしない」が、府・全国と比べても大きく減少することができる(「3時間以上」も高い)など、大きく改善傾向がみられる。これは1年より取り組んだ「学習貯ノートの習慣」による効果が出ているのではないか。

〇「学校の宿題・予習・復習をしていますか」では、「していない」層は少ない状況であるが、「家で計画を立てて勉強しますか」については、まだ少し課題が見られる。

 

【5】  学校活動と人間関係について

○ 「友だちどうしで話し合って学級のきまりなどを決めている」「学級みんなで何かをやり遂げうれしかった」等の項目の数値は高く、みんなで話し合ったり、協力しあったりして取り組んでいる実感は強く、その達成感も強くもっている。先生との信頼関係(「先生は、あなたのよいところを認めてくれる」では、「当てはまらない」が0であった)も一定あるように思われる。

○「いじめ」に対する認識も高くもっており(「いじめは、どんな理由があってもいけないと思う」では、「当てはまらない」が0)、まわりと折り合いをつけていこうという姿勢は強い。その反面、自分の思いや考えをなかなか出せていない実感があり、将来に対する不安感は強くもっている。

 

【6】  授業づくりについて

○「生徒間の話し合い活動」「自分で課題を立て、情報を整理して発表するなどの活 動」等の項目では大きく数値があがるなど、授業の中での話し合い活動等については、大きく改善傾向がみられる。また授業のねらいやふり返りも少しずつ定着してきており、校内的には上向き傾向である。

○ グループ活動等については、しっかり取り組んでいる状況が見られるが、自分の考えを書くという学習活動については難しさを感じている。このことは、学力調査の国語の結果にも表れている。

 

70期生の全体的な特徴として、多くの項目において「当てはまる」という強い肯定は府・全国と比べて少し低めであるが、「どちらかといえば当てはまる」を含めると高くなる傾向がある。また「当てはまらない」という強い否定は、かなり低い傾向にある。(いくつかの項目では0)これは、六中生の「達成感は強くもっているが、自信としてはまだあまりない」という課題と結びついているように思われる。これまで課題となっていた「自己肯定観の低さ」「家庭学習の習慣」等については、改善傾向がみられる。引き続き、地道な取り組みをすすめていきたいと思います。