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全国学力・学習状況調査からみえる六中生の課題

 本年4月21日に実施されました全国学力・学習状況調査(中3生対象)の結果が届きました。個人票については、先日子どもたちに返却したところですので、各自の課題等についてはしっかり見ておいてほしいと思います。ただし、この調査結果はあくまでも学力や学習状況の一部であり、生徒の学力や学習状況、教育活動すべてを表すものではありません。それをふまえた上で、学校と家庭・地域が課題を共有し、連携して取り組んでいくことを目的として、六中生の全体的な状況・課題等について、この紙面を借りてお知らせしたいと思います。

【1】  教科学習について

 大阪府全体でみれば、国語・数学のAB両区分に改善が見られるが、理科については、前回より改善は見られたものの依然として全国との差は大きいという結果であった。

<国語>

○ 根拠を明確にして伝えたいことを書いたり、文章や資料を基に自分の考えをまとめたりすることを苦手とする子ども   が多い。また六中生では、学習指導要領の領域の「話すこと・聞くこと」(評価の観点では、「話す聞く能力」)に課 題が見られる。

○ 「国語の勉強は好きですか」、「国語の勉強は大切だと思いますか」、「国語の授業の内容はよく分かりますか」では、肯定的評価がかなり高くなっている。

<数学>

○  記述式問題では、数学的な表現を用いて理由の説明、図形の性質を用いた方法の説明に課題が見られる。また六中生は、学習指導要領の領域でいえば、「数と式」に課題が見られる。

○  「数学の勉強は好きですか」「数学の授業の内容はよく分かりますか」では、肯定的評価が少し低い。「数学の勉強は大切だと思いますか」では、全国の状況とあまり変わらなかった。

<理科>

 ○ 実験の結果を数値で表した表を分析して解釈し、規則性を見いだすことに課題が見られる。特に六中生では、学習指導要領の分野の生物的領域に課題が見られる。

○ 「理科の勉強は好きですか」「理科の授業の内容はよく分かりますか」では、肯定的評価が低い。「理科の勉強は大切だと思いますか」では、全国の状況とあまり変わらなかった。

 

【2】  基本的生活習慣について

○ 「朝食を食べていますか」「同じくらいの時刻に起きていますか」等の基本的生活習慣にかかる項目では、昨年度と比べると改善傾向にあるが、それでもまだ府や全国と比べると課題が見られる。

○ 「1日当たりのケータイ・スマホの時間」では、4時間以上がまだ高く、スマホ・ケータイ等の使用時間が多いことで、いわゆる「早寝・早起き・朝ごはん」の習慣づけができていない層が見られるのではないか。

 

【3】  自己肯定感について

○ 「自分には、よいところがあると思いますか」等の自己肯定感の項目についても、上向きの傾向ではあるが、まだまだ自分に自信のない層の厚い状況は変わらない。(全国的な傾向でもある。)

○ 取り組んだ時の達成感を一定もっているので、「難しいことでも、失敗を恐れないで挑戦していますか」「夢や目標を持っていますか」等、目標に向かって前向きにチャレンジしようとする意識はわりと高い。

 

【4】  家庭学習の習慣について

○ 「授業以外での勉強時間(平日)」「家で予習・復習をしていますか」等、家庭学習の習慣についても、校内においては改善傾向がみられるが、まだ全国と比較すれば不十分な面がある。特に、「家で計画を立てて勉強しますか」等、自分で計画を立てて勉強する習慣が、まだまだ弱い。

○ 家庭学習を推進するための取り組みは、一定の効果があると思われるので、引き続き地道に取り組んでいく必要がある。

【5】  学校生活と人間関係について

○ 「学校に行くのは楽しい」「学級みんなで何かをやり遂げうれしかった」等の項目では、肯定的評価が高い。「人の気持ちの分かる人間になりたいか」「人の役に立つ人間になりたい」等の項目のポイントも高く、みんなで協力して取り組んだ時の達成感はより強くなっているが、人の役に立っているという実感は弱いようである。

  ○ 自分の思いや考えをなかなか出せていない実感があり、そのため相手が自分をどの 

ようにとらえているか不安に思っているのではないか。

【6】  授業づくりについて

○ 「自分の考えを発表する機会が与えられた」「自分で課題を立て、情報を整理して発表するなどの活動」等の項目では、昨年度と比べても高くなっているが、「授業のはじめに、ねらいが示されていた」「授業の最後の振り返り」等の項目では、まだまだ低くなっている。授業の中での話し合い活動等については、一定改善傾向がみられるが、「授業のねらいやふり返りの活動にまだまだ課題が見られる。

○ 授業づくりの中で、1時間の流れをどのように組み立てていけばいいのか、教科を中心に協議し整理していくことが必要なので、授業研究に力を入れる必要がある。

 

これまでの六中生の課題であった「自己肯定感の低さ」や「家庭学習の習慣」等については、多くの項目において改善傾向がみられていますが、府・全国と比べるとまだまだ課題はありますので、引き続き地道な取り組みをすすめていきたいと思います。