6年生算数 もうすぐ中学生 ~ICTも活用した個別最適な学びの実現を目指して~
3学期はスマートスクール担当が中心となり、ICTを活用した個別最適な学びの実現を目指しています。3学期の6年生算数では、中学校数学で学習する方程式や関数などを経験的に学ぶ授業が設定されています。6年生一人ひとりが中学校数学の学習内容の一部を自分で選択・決定し、学びを進める力をつけることを目指し、学習計画シートを作成し、Microsoft Teams内でいつでも確認できるようにしています。
学習計画シートを確認した6年生は、興味のあるユニットや自力で解決できそうなユニットを選びます。ユニットを選ぶと、Microsoft Teams内の各ユニットのスライド(Apple Keynote)をダウンロードして、学習を進めていきます。例えば、天秤とおもり(文字と式のユニット)、長方形の棒(方程式のユニット)、ペットボトルキャップ(確率のユニット)などの具体物を使って学ぶ児童もいれば、タブレット端末内の電卓やKeynote内の図形を使って学ぶ児童もいます。一人ひとりがスライド内の課題を解決するために、必要な道具や手段を選んで学習を進めています。児童が個性的な学習(※1)を行えるように、このような授業を実施しました。
「自分が考えた足跡や証拠を残そう!」と教員から伝えているので、児童は課題の解答だけでなく、道具や算数ノートの式やメモを撮影してスライド(Keynote)に貼り付けています。そして、自分が選んだユニットが終わったらスライド(Keynote)をPDFに変換し、Microsoft Teams内のフォルダに提出します。1人1台タブレット端末を持ち、クラウドの良さが発揮されることで、提出後にも学年の他の児童がどのように解決したかを閲覧し参考にすることができます。また、教員も一斉型授業をしていないため、一人ひとりの児童がどのような学び方をしているか、教室内やクラウド内で確認し、適切な指導が可能となります。(※2)実際に授業を担当したスマートスクール担当も、45分の中で学級の児童全員と1回は話したり声をかけたりすることができました。
学習が一段落すると、児童はMicrosoft Teams内に配置された「振り返りシート」(Microsoft Excel)を開き、何をどのように学んだか、何ができるようになったか、次は何を学んでみたいかなどを入力していきます。児童が自分の学習を振り返ることで、自身の学習に責任をもち、必要に応じて学び方を調整することを目的としています。
中学校に向けて、児童一人ひとりが学び方を主体的に選択・決定し、やり抜く力を身に付けることを目的として、学習活動を設定しました。6年生は、学習の過程の中で必要に応じて、友だちと相談したり一緒に活動したりしながら学習を進めていました。また児童が自己の学習の必要に応じて、ICTを活用することで、一人ひとりの学びがより具体的で深くなっていることを感じていました。
ICTも活用した個別最適な学びを、少しずつ一歩ずつ、実現していきたいと考えています。
(※1)「学習の個性化」=教師が子供一人ひとりに応じた学習活動や学習課題に取り組む機会を提供し、子供自身が最適な学習となるよう調整すること
(※2)「指導の個別化」=教師が支援の必要な子供により重点的な指導を行い、子供一人ひとりの特性や学習進度、学習到達度に応じて、指導方法・教材や学習時間を柔軟に提供・設定すること