4月に大阪府よりスマートスクール実現モデル校の指定を受け、8カ月間、刀根山小学校の教職員と子どもたちは授業や学校生活の様々な場面で1人1台タブレットを使ってきました。タブレットの活用に関わる2学期の全校児童アンケートでは、98.4%の児童が「ほぼ毎日タブレットを使っている。」と回答しています。タブレットに対する子どもたちの柔軟な姿勢と教職員の意識の高さにより、タブレットの活用が日常化してきたと言えます。その上で12月22日には本校のICT活用の現在地と方向性を確かめるために冬季校内ICT研修を実施しました。

 大阪教育大学より森田英嗣教授をお招きし、研修テーマは【SAMRモデルを見据えた今後の授業実践について】を設定しました。SAMRモデルとは、ICTを活用することが授業にどのような影響を与えるのかを示す尺度のことで、昨年には豊中市版SAMRモデルが発表されました。

★豊中市版SAMRモデル★

 はじめに森田教授よりSAMRモデルにもとづいて実践を整理することの意味、SAMRのどの段階にも意義があることをお話いただきました。

 次に教科ごとのチームに分かれて、大阪府の1人1台端末等活用実践事例を、SAMRモデルの段階に分類するグループワークを行いました。画像は教科チームごとの議論の様子です。本校の教職員研修は明るい雰囲気の中、活発な議論がなされるのが特徴です。今回もMicrosoft TeamsやSKYMENU Cloudの共同編集機能を活用し、資料のペーパーレス化や議論活性化のためにICTを活用しています。グループワークを通して、各教科におけるICT活用のヒントやSAMRモデルの段階が明確になっていきました。

 さらに各学年チームに分かれて、3学期にチャレンジしたいICT活用についてアイデアを出し合いました。学年児童の発達段階に応じたアイデアが出され、学年チームでのチャレンジ(案)を学校全体で共有することができました。

 最後に森田教授より、豊中市SAMRモデルに基づいて実践研究の方向づけをしていくこと、教員1人のチャレンジではなく学校全体でのチャレンジを導くこと、豊中市の強み(学校図書館の充実)を活かしていくこと等、力強いメッセージをいただきました。

 研修後の本校教員の感想の一部を抜粋して紹介します。

〇 ICTを使う時は不安もありましたが、使用することでこちらの準備の負担が減り、子ども達の学習に向かう意欲が増えてきた感覚があります。まだ課題はありますが、今後も継続して使用していきたいです。

〇 刀根山小学校の先生方(自分も含めて)の授業の多くはSやAの段階にあるのだろうと思いました。MやRの実践をこれから作っていったり、そういう授業を見たりして自分の力にしていきたいと思いました。ICTを使うことは重要ですが、教科で学習することの本質も見失わずにこれからも取り組んでいこうと考えました。  

  これらの感想にもあるように、1人1台タブレットの活用を通して、子どもたちの学習意欲を高めたり、教員の負担軽減を図ったりしながら、学ぶことの本質を見据えて3学期の教育活動に活かしていきたいと考えています。