5月27日に3年生を対象に実施されました「全国学力・学習状況調査」における

本校の分析と課題および今後の取組みについて、以下のとおりお知らせいたします。

各ご家庭におかれましては、本校生徒の学力・学習状況についてご理解いただくと

ともに、今後の取組みについてご協力いただきますようお願い申しあげます。

今後の取り組みは、次のおたよりに掲載しています。

※本調査は、【教科に関する調査】と【生徒質問紙調査】から構成されています。

【教科に関する調査】では、国語、数学についての解答状況を調査し、

【生徒質問紙調査】では、「授業・教科に関する意識」「生活に関する意識」など

についてアンケート形式で調査しています。

1.教科に関する調査の結果から見た分析と課題

【国語】

①学習に対する意識や取り組みは良好である。

・「国語の勉強は好きですか」「国語の勉強は大切だと思いますか」

 「国語の授業の内容はよく分かりますか」などの質問では、70%~80%の生徒が

 肯定的な回答をしている。

②記述式の問題に課題が見られる。

・記述式の問題は4問あったが、正答率が他の問題に比べ低く、無解答率も

 高くなっている。

・「今回の国語の問題では,解答を文章で書く問題がありました。それらの問題に

 ついてどのように解答しましたか」という質問には「書く問題で解答しなかったり、

 解答を書くことを途中であきらめたりした」または「書く問題は全く解答しなかった」

 と回答した生徒を合わせると半数を超える。

 

 「課題が見られた問題の例」( )内は出題の主旨

〇ある生徒が書いた意見文の下書きを読み、構成の工夫について自分の考えを書く。

 (書いた文章をお互いに読み合い、文章の構成を考える。)

〇「吾輩は猫である」の一部を読み、「吾輩」が「黒」をどのように評価し接して

 いるかを答え、その接し方について自分の考えを書く。

 (文章に表れているものの見方や考え方を捉え、自分の考えを持つ。)

〇伝統工芸の体験をさせてもらうために施設の担当者に送るメールを作成する。

 (伝えたい事柄が相手に効果的に伝わるように書く。)

 

【数学】

①学習に対する意欲や取り組み方は良好である。

・「数学の勉強は大切だと思いますか」「数学の授業の内容はよく分かりますか」

 などの質問では、70%~80%の生徒が肯定的な回答をしている。

②『数と式』『図形』の分野の正答率が『関数』や『資料の活用』に比べ高いものの、

 基本的な計算力が不足している。

 ・(5x+6y)-(3x-2y)の問題や、中心角60°の扇形の弧の長さについて

 正しいものを選ぶ問題では、正答率が6割以下にとどまっている。

 一方で授業の最初に行っている振り返りプリントで同様の問題を出題したときの

 正答率は8割を超えており、いかに学習した内容を定着させるかが今後の課題である。

③与えられた情報から問題を解くのに必要な情報を選択する力が不足している。

・資料の活用の問題(与えられたデータから中央値を求める問題)や、長文から等しい

 関係を見つけ、式に表す問題の正答率が低かった。

④問題解決の方法を数学的に説明する力が不足している

・数学的な性質やデータをもとに自分の考えを説明する問題の正答率が非常に低い。

 「今回の数学の問題では,解答を言葉や数,式を使って説明する問題がありました。

 それらの問題についてどのように解答しましたか」という質問に対しては「説明する

 問題で解答しなかったり、解答を書くことを途中であきらめたりした」または

 「説明する問題は全く解答しなかった」と回答した生徒を合わせると60%を超える。

 

【生活】

①基本的生活習慣について課題がある。

・「朝食を毎日食べていない」と6.3%の生徒が回答している(府3.1%、全国2.2%)。

 また、「同じくらいの時刻に寝ている」という項目で「できていない」と11.4%の

 生徒が回答している(府4.6%、全国3.7%)。

 「同じくらいの時刻に起きている」という項目で「できていない」と6.3%の生徒が

 回答している(府1.6%、全国1.1%)。

 府・全国の数値と比べて高くなっている。基本的生活習慣についての改善が必要である。

②家庭での学習習慣の定着が課題である。

・「普段、4時間以上ゲームをする」と41.8%(府25.8%、全国16.7%)の生徒が

 回答している。

 全国学力・学習状況調査の報告書より「普段、1日当たり、テレビゲーム(コンピューター

 ゲーム、携帯式ゲーム、携帯電話やスマートフォンを使ったゲームも含む)をする時間が

 短い生徒の方が教科の平均正答率が高い傾向がみられる。」とある。

③自己肯定感を高めていく必要がある。

・「自分には良いところがある」という質問に「どちらかといえばあてはまらない」

 または「あてはまらない」と34.2%(府27.3%、全国23.7%)の生徒が回答している。

④友達と協力する取り組みは良好である。

・「友達と協力するのは楽しい」という質問には97.5%の生徒が肯定的な回答をしている。

⑤自己有用感の高まりを感じられる。

・「人の役に立つ人間になりたいですか」という質問に「当てはまらない」と答えた

 生徒は0(ゼロ)だった。誰かの役に立ちたいと思えるということは、現時点でも

 役に立っている実感があると考えられる。