校内研修の三日目は、「子どもが子供らしく暮らせる街に」と題して、社会福祉法人豊中市社会福祉協議会の勝部麗子さんを招いて、社会福祉協議会の成り立ちやその活動を映像や3人一組でのロールプレイングのグループワークで体感しながら学びました。

 

今回の目的は、学校と福祉の連携を探ることです。

社会福祉協議会もお年寄りや障害者に対する取り組みに加えて、子どもへの手立てにも広げてこられ、学校も学校だけでは抱えきれない背景など、どのように福祉の手を借り、手を携えて見守り、育てていくのかと一歩踏み込む必要性が出てきています。

 

管理職や生徒指導主事・進路指導主事などは外部機関と繋がる機会も多く、自然と引き出しも増えていくのですが、子どもと向き合うことが中心の多くの教職員には、学校外の世界の動きや組織に出会うことや関わることも少ないので、この機会に学校以外のさまざまなチャンネルが存在することなどの理解を深めてほしいと企画したのでした。

 

最近よく耳にする「ヤングケアラー」が具体的にどんなことを指すのか、教職員が入れない家庭にも福祉からならアプローチしやすいことなど、具体的な話に参加者は目から鱗のようでした。

高級住宅街にある本校とはいえ、多様な背景を持つ家庭と関っている担任はいろんな生徒の顔を頭の中で浮かべているようでした。

 

豊中市には6,000人の引きこもりの人がいて、約900人の不登校生がいると言われている。そして8050問題。子どもの置かれている状況。学校では…。

勝部さんが現実の重さやしんどさに正面から向き合って来られた話なのに、何か希望の明るさと温かみのある90分間でした。そして、たくさんのヒントもいただきました。

 

学校は、人とのかかわり、人とのつながりを学ぶ場。「本当のことは見ようとしないと見えない」と研修を結ばれました。しっかりと噛み締めておきたい言葉でした。