不定期に甘えて
新年度が始まって3週間になろうとしているのに、不定期に甘えてブログの更新を怠っていました。
今年の春は入学式まで桜が残っていました。入学式は風の強い日だったので、風に吹かれて花びらが体育館の中にまで吹き込んでいました。
入学式の式辞は、入り方を少し凝りました。というのも、年度末で異動された用務員さんのお仕事をきちんと残したいと思ったからです。
替わって新しく異動してこられた用務員さんは、北門と正門だけでなく、花が残る桜の樹の横にも入学式の看板を設置され、写真撮影の長い列ができていました。
仕事には、その人柄が現れます。ちょっとしたことに、その人のやさしさに心が温かくなりました。
今年度の入学式の式辞は、以下のとおりです。
【令和４年度（２０２２年度） 第50回入学式 式辞】
それは寒い日でした。
用務員さんが君たちの入学に合わせてチューリップの球根を土の中に埋めていました。
先月の、皆さんの雨の降る卒業の日に土から芽を出していたかと思うと、今日、花を咲かせていました。
街中にも、色とりどりの花が咲き始め、今年は桜も花を残していて、
皆さんの新しい生活を祝福しているようです。
新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
ようこそ第十一中学校へ。
皆さんの入学を、教職員並びに在校生一同心待ちにしていました。
君たちは第５０期生です。
十一中は来年、２０２３年１０月９日に、５０周年を迎えます。
今日からは、この学校の良き伝統を引き継ぎ、そして新たな伝統を築き上げていく、
一人ひとりが十一中生の主役です。
入学にあたり、3つのことをお話しします。
まず一つ目は、この学校が大切にしていることです。
十一中には、細かな決まりはありません。
その代わりに、いまから28年前の1995年に君たちの先輩たちが作り、
その後ずっと大切にされてきた「生徒憲章」があります。
生徒一人ひとりは、この「生徒憲章」に基づいて、
自分で考え、自分の行動を正していくことを大切にしています。
中学生になって新しく出会う仲間は、考え方や行動が自分とは違っているかもしれません。
しかし、互いを認め合い、楽しい毎日を送り、
共に良い十一中をつくっていこうという思いが「生徒憲章」にはこめられています。
このあと、先輩や先生から詳しく話をしてもらえると思いますが、
この精神を受け継いで、皆さんも十一中での生活を素晴らしいものにしてください。
さまざまな出会いを大切にして、
一人ひとりが違うことを認め合うことで、
豊かさを誇れる学級、学校を、一緒に作っていきましょう。
次に、二つ目です。
中学生になると、小学生の時とは違って、
もう子供じゃないんだから、これくらいは判断ができるだろうと、
君たちは少し大人扱いされるようになります。
そんな君たちが、これから行動するときに、大切なことは「想像力」です。
こうしたらどうなるか、やってみないとわからないこともたくさんあります。
しかし、「想像力」を働かせましょう。
何かをするときに、相手の気持ちを「想像」することも忘れないようにしましょう。
失敗を恐れず、たくさんのチャレンジをして、「想像力」を鍛えていきましょう。
最後に三つ目です。
今後社会は、ますます速く、大きく変わっていきます。
世の中にはさまざまな職業がありますが、
君たちが大人になるころには、今ある仕事はAIがしてしまって、
なくなってしまったり、新しい仕事ができているといわれています。
どんな時代になっても、想像もつかない社会が訪れても、
適応し、対応していく力の基礎を、中学校で身に着けましょう。
学校は、練習するところです。
担任の先生だけじゃなく、いろんな教科の先生や、部活の顧問の先生や、たくさんの大人が、
練習している皆さんを見守っていて、
いろんなヒントを教えたがっていることを忘れないでいてください。
さて、保護者の皆様、お子様のご入学、心からお祝いを申し上げます。
この3年間、大切なお子様をお預かりし、教職員一同、子どもたちのために一生懸命、
力を尽くしてまいる所存でございます。
十一中の教職員一同、心を合わせ、「地域の学校」として、
保護者の皆様、地域の皆様に信頼していただけるように、さらに精一杯の努力をしてまいります。
本校の教育に深いご理解とご協力をお願い申し上げます。
新入生の皆さん。
厳しい冬の寒さに耐えたすべての命が、いまから勢いよく伸びていきます。
いよいよ君たちの、新しい生活が始まります。
中学校の3年間は、あっという間に過ぎていきます。
毎日を大切に、充実した日々を過ごしましょう。
令和４年（2022年）4月7日
豊中市立第十一中学校
校長 浅田勝利
