新聞に載ると、Yahooニュースでも流れると改めて知った。

週明け、いつものとおり校門に立って登校してくる生徒と挨拶を交わしていると、「校長先生、Yahooニュースに載ってたね」と女子が話しかけてきた。「なんのこと?」って返すと、「またまたぁ、知ってるくせにぃ」と意味深な感じ。

どんなふうに載ってるんだろうと校長室に戻ってから見ると、新聞の記事どおり。

ちょっと違うんだけどなぁと、今度は独りごちていたのだった。                「名札」導入に当たっては、先生方から説明はしてもらったけど、生徒に真意が伝わらないのは複雑な思いだった。

記事の影響は大きく、その日の夕方から、今度は夕方の関西ローカルテレビの情報番組や、週末10時の全国ネットのニュース番組、その他からもテレビの取材協力の電話がかかってきた。

すべてに丁重にお断りさせていただいた。というのも、すべて「マスクを外す是非」で使う前提なのだ。ストーリーは出来ていて、そこに当てはめる、そんな感じだ。

物事には流れがある。流れはとても大切だ。報道はさまざまな制限の中で部分を切り取らざるを得ない。そして、切り取り方には「意思」がある。しかし、まず「意志」ありきから始まって、はめ込まれてしまうのはたまらない。しかし、そんなことはたくさん起きているのだろうし、そんなこととはしらず、形となって拡散していくのだろう。

改めて、何事も鵜呑みにしないこと、メディアリテラシーをきちんと教える必要を感じて勉強になった出来事だった。

ただ、一つ嬉しいこともあった。                                   疎遠になっていた卒業生が学校に連絡をくれたのだ。懐かしいひと時を共有し、いまの連絡先を交換できたのは新聞に載ったからだった。端から取材をお断りしていたら、これも生まれなかったこと。お誘いは前向きに受けるという姿勢は大切だということだろう。