今年こそは学校を挙げて全校での体育大会をと意気込んでいたが、新型コロナ感染症に負けて学年別の体育大会の実施となった。

1,100名近い生徒数の本校だ。保護者が2名来られたら3000名が、この小さめのグラウンドに集まったらと考えると、「密」を回避した常識的な対応だったとは思う。

地域の行事も軒並み自粛を余儀なくされて、地域によっては行事の細かいさまざまな「やりかた」の継承が難しくなっているという話も聞く。

学校も今は教員の世代交代の時だ。物事は、その時々の時代に合った形で進められていけばいいのだが、行事には意外とアナログな口伝えなどのノウハウが多く存在する。安全もしかりだ。

また、生徒にとっても本校のような大規模校では、全校を挙げての行事が持ちにくいため、上級生の振る舞いを学ぶことも難しい。

学年別だと、なんともほのぼのな雰囲気が漂うし、たくさんの種目に出場できるなど、メリットも多い。しかしながら私はデメリットにこだわった。すると先生方は、デメリットの解消、「引き継ぐ」ことをどうすればいいかと知恵を絞ってくれた、柔軟だった。

時間割を調整し、下級生に見てほしい種目などを選び、複数の学年で係別の打合せを行い、さまざまな「工夫」を試みてくれた。大規模校ではそう簡単ではないことを。

さる9月30日に行われた3年生の体育大会の一部を見た2年生が興奮気味に家でその様子を熱く話していたという保護者の声が届いた。

いい刺激は明日10月25日に行われる2年生の体育大会に反映されるだろう。その一部は1年生が見ることになっている。完全ではないけれど、出来る範囲で工夫したことが、次につながっていくはずだ。

しかし、来年こそは50周年記念大会として盛大にやりたいものだ、もちろん工夫しながら。