期末テストが昨日で終わった。さぁ、ここからは採点をすませて返却し、長い2学期の成績処理をして、資料を作って個人懇談をして、通知表を作って、3年生は進路を固めていき、終業式まで、ぜいぜい息を切らせてゴールに向かっていくという慌ただしい日々が始まる。

日の沈むのも早くなって、5時を過ぎたらもう辺りは真っ暗だ。

 

今回の期末テストでは、驚くことがあった。

英語や音楽の放送テストはパソコン内で音声を加工して、ライティングソフトでCDを作って放送で流している。

こんなことももうすぐしたら音声データを、各自のタブレットに飛ばして云々なんて形になるのかもしれないけれども、現時点ではCDを放送室から流している。

CDを加工されず(するのが苦手で)、使いこなしたMDで音声を加工してという稀有な先生もいらっしゃる。

先ごろのニュースでついにSONYがMDの製造を中止したと発表されていた。MDは読み取りの最初にはやや時間がかかるものの便利なメディアであった。しかし、そのニュースを見た時、まだ残っていたのか、まだ製造を続けていたのかというのが正直な思いだった。

放送室から流すだけならば、その先生もMDプレイヤーとコードでつなぐだけなので何の問題もこれまでなかった。

ところが、である。

ここのところ学校は配慮をしなければならない生徒であふれている。

渡日の生徒で日本語がまだまだ上手にできないので、すべての漢字にルビをふったり、辞書を持ち込むことを許可したり、試験時間を延長するために皆とは別の部屋を用意したり、普段は学校に来られないがテストだけはと頑張って、けれども自教室に入れなくて別室で受験したりなど、まだまだ他にもいろいろと、本当にしなければならない配慮が多様すぎて監督のスタッフがついに足りなくなり別室受験の分け方を今回のテストでは試行してみることにした。

そこでこんなことが起こった。

学校にMDラジカセがそんなにあるわけでなく、ついに別室で放送テストの代わりに鳴らすために往年の「カセットテープレコーダー」の出番となったのだ。

すると別室受験の部屋を監督する20代の先生がカセットテープの使い方がわからないと宣う。それも一人だけではない。

「え⁉、A面B面って? え⁉、え⁉、え⁉」と試験本番に備えて動揺が走った。

 

まだおじさんおばさんとまでいかない年齢の先生たちもびっくりであった。

今の若者にはカセットテープが説明しないと使えない。使い方は理解したものの、用意されていたカセットはテープが緩んでいたのか巻き込んでいくというトラブルが発生し大慌て。とんだアナログ小惨事が勃発したわけだ。

あんなに長いこと活躍していたカセットテープも、寂しい限りである。

なんか自身を見る思いだ。

とにかく、今週いちばん驚いた出来事であった。