お声をかけていただいて、先週、保護司会が主催された「社会を明るくする運動」の対話集会に参加した。

 

 集会は、豊中南警察署 生活安全課 防犯保安係から来られたお二人の「特殊詐欺の現状と課題」という講演を聞いた後、質疑応答。

 「学校ではSNSの危険性の周知について、児童・生徒にどういう取り組みをされていますか」とお鉢が回ってきた。出席していた3名の校長は、それぞれ小学校でも中学校でも、SNSやスマホの使い方や危険性について知る時間として講師を招いて講演会を聞いたり、授業で取り組んだりしていることを報告した。意外と知られていないんだなと思った。

 

 続いて保護司の方から、特殊詐欺の加害者(対象者)と向き合った経験のお話を聞いた。

 

 保護司とは、犯罪や非行をした人の立ち直り(更生)を地域で支えるボランティアで、保護司法という法律に基づき、法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員である。報酬は支給されていない。全国に約46,000人いて、保護観察を受けている人に面接を通じた助言や指導を行い、受刑者が社会復帰する環境への働きかけなども行っている、といただいた資料に書かれている。

 

 今回の集会では、お互いに保護司という立場になった経緯や保護司をしていて感じていることや思いなどを交流する時間を持たれており、興味深く聞いていた。

 

 個人情報に抵触しないように言葉を選びながら、多くのお話を伺った。ある保護司の方はこれまで100名近く担当されてきて立派に更生された方の話を語り、またある方は「お互い人間だから、人と人とのつながりだから」と信念を語られ、「メリットやデメリットでは語れない役割」という言葉や、またある方は「無償だけど、有償ならしない」とおっしゃった。皆さん潔く温かい響きのある声に感じた。

 

 「どこか先生の仕事と似てますよね」とある保護司の方から話を振られた。

 

振り返ってはたして状況が苦しい生徒を何人救えただろう、どれだけその人生に関われただろうか。確かにこんな私でも何人かはっきり思い浮かべられる生徒もいて、彼ら彼女らの何人かとは幸いなことに年賀状のやり取りとかで今も続いている。

 

 金八先生は時代からずれているだろう。しかし、地域の公立の教員はお勉強だけを教えて終わりではない。特に近年、福祉をはじめ外部機関との連携はますます多岐に亘っている。

 

学校が何もかもを期待され、身動きが取れなくなっている状況に対して、「働き方改革」が叫ばれて久しい。

「ようやく」と思われるような見直されつつあることもこの間には多くある。

 

しかしだ。学校がいろんなことを、これは本務ではないからと放り出した結果として、地域から保護者から期待されなくなった時、この仕事の将来像が、この仕事を選ぶ人が何がしたくてこの仕事を選ぶのか、その姿が今の私には想像がつかない。

ただ、そんなことを言っていると、もう急激にこの仕事を選ぶ真っ当な人は限りなく枯渇の一途を辿っているのも現実だ。