『夏の影』
お盆休みが終わり、そこに合わせた学校閉庁日も明け、新学期まで残り一週間だ。
この夏は連続して10日間のお休みをいただいた。就職してから此の方、教諭時代を通じてこんなに長く休んだのは初めてで、どこにも旅行に行かなかったが、実に有意義に過ごした。
夏の思い出というのは、暑さと強い日差しで焼き付く感じがする。そして特にここからの夏の終わりに向けた時間を描いた数々の名曲が彩りを添える。
山下達郎『さよなら夏の日』、荒井由実『晩夏』、森山直太朗『夏の終わり』など、大好きな歌が多いのだが、この夏また一曲加わった。それが『夏の影』だ。
ある日の昼下がりエアコンの効いた部屋でテレビを見ていると、キリンの「午後の紅茶」のCMが流れた。やはり夏はレモンティだ。目黒蓮さんも中条あやみさんも「午後ティー」を実に美味そうに飲む。
そのシーンを盛り上げるのがMrs. GREEN APPLEの『夏の影』という曲だ。
すぐさまYouTubeで探すと120秒Ver.というのがあって、これがまた良い。
何度か繰り返し見て、本家Mrs. GREEN APPLEの『夏の影』のMVも見た。
むかし子どもの頃、田舎の川で泳いだこと、その時、目の前をヘビが泳いでいたことや、井戸で冷やしたキュウリやスイカやトマトを食べたことや、籠いっぱいにセミを採ったことが懐かしくよみがえってきた。そんなMVだ。
あの里山にはもう世代も変わってしまって行くこともないので、自分の子どもは同じような経験はしていない。
そして、情緒もへったくれもない極端な暑さと豪雨に見舞われる昨今には悲しさを通り過ぎて絶望的な思いもする。
『夏の影』では、やたらと「○○のせいにして」という歌詞が出てくる。
「所為にする」というのはあまりいいことでないのだが、夏はなんかこの表現が許せてしまう感じがする。少なくとも「〇〇のおかげ」なんて表現は、もう暑すぎてありえない。
夏が終わる。生徒たちはどんな時間を過ごしただろう。楽しい時間を過ごせただろうか。
始業式が気の重い君。「○○のせいしして」ぐらいのいい加減さは大切なのだよ。
真面目過ぎでは疲れてしまうよ。それでなくても地球までもが極端なのだ。
ところで偶然のことなのだが、『夏の影』のMVの撮影場所周辺は、来年の修学旅行先なのだ。下見のお土産、カニ風味の麩菓子が机の上に置いてあった。いただきます。