式辞

紅葉が終わり冬の気配が濃くなる中、本日ここに、豊中市長・長内繁樹さまをはじめ、多数のご来賓、また関係者の方々のご臨席を賜り、豊中市立第四中学校夜間学級 開設50周年記念の集い、総合学習発表会を行うことできることに、心より感謝申し上げます。

 

昭和50年(1975年)4月、大阪府で9番目の、そして北摂で唯一の中学校夜間学級として、豊中市立第四中学校夜間学級は開校しました。

 

第四中学校に「夜間中学校」が誕生した背景については、今日、この後に生徒さんたちの総合学習発表会の中で紹介されると聞いているので、私からは詳しくお伝えせずにおいておきます。

 

「夜間中学校」はその時代の社会や教育の状況を反映する形で変化しながら今日に至っています。

今年度の生徒さんの数は67名。年齢構成は、16歳から91歳の方が通っておられ、平均年齢は42歳です。

北摂で唯一ということもあり、その居住地域は、箕面市、池田市、豊能町、吹田市、茨木市、高槻市、伊丹市と、豊中市だけでなく、また府外からも通学されています。

国籍なども多岐に亘り、日本、中国、台湾、フィリピン、ネパール、シリア、ロシア、アルジェリア、コンゴ民主共和国とおよそ6割が外国籍です。

 

すべての人に「基本的人権」として義務教育が完全に保障されていれば、「夜間中学校」は本来必要とされない「あってはならない学校」と言われたりします。

しかし、今もなお、社会・教育・学校の現実や実態は、「夜間中学校」を絶対に「なくてはならない学校」としています。

 

さて、みなさん

学校って何を学ぶところなのでしょう。 

勉強は何のためにするのでしょう。

 

その問いの答えの一つとして、「夜間中学校」がここ豊中市にあるということはとても意味深いことです。

人権を貴ぶ精神が、今日まで地道に延々と50年間、ここ豊中市に受け継がれてきたという事実は、豊中市で教育に携わる者として誇りに思います。

 

終わりになりますが、ご臨席の皆様をはじめ、これまで四中夜間学級の発展にご尽力いただきました多くの関係者の方々、

日頃から惜しみなく温かいご支援をいただいております地域の皆様に、心より感謝申し上げますと共に、今後も変わらぬご理解とご協力を賜りますことをお願い致しまして、あいさつと致します。

 

 

 令和7年(2025年)11月22日

                    豊中市立第四中学校長   浅田 勝利