お盆休みが終わり、学校閉庁日も明けた19日、月曜日。

17時を過ぎて帰る時、校門を出る手前で女子テニス部の下校と出くわした。

女子としては嫌だろうが、よく日焼けしていて健康そうだ。

 

自転車に乗った私服の女子生徒が二人近づいてくる。

顔は見たことがある、しかし名前がわからない。ペコっと頭を下げてくれる。

どうやらテニス部のクラブの活動終了時間に合わせて校門に来たようだ。

 

あっ、と彼女は言い、そして振り返った私に向けて投げかけた言葉が

「来ていただいてありがとうございました」だった。

 

チームが府大会に進んだので7月の末に応援に行ったことを覚えていてくれていたようだ。

突然そんな大人のあいさつを、きれいな日本語でされてしまうとどぎまぎしてしまい、

きちんとした(校長らしい)返しができなった、本当に情けない。

 

子どもっぽい、人懐っこい近づき方をする生徒には多く出会うけれど、きちんと「礼」を示されることもあるのだということを忘れていてはいけない。

そう、子ども扱いして舐めていては子どもも成長しないのである。

 

顧問の教育なのだろうか、保護者の躾なのだろうか、まいってしまった。

 

いつのまにか夕暮れの暑さは引いて爽やかな心地になった。

言葉にする、態度で示す、感謝を伝える、そうした「基本」も日々の積み重ねである。

 

「負うた子に教えられて浅瀬を渡った」ひと時であった。