46期生が成長した姿で第十三中学校から羽ばたいていきました。

卒業おめでとう。

卒業証書授与

学年合唱

卒業生 決意の言葉

卒業生 決意の言葉

この三年間で、私たちはどれだけ成長できたでしょうか。旅立ちを前に、少し振り返りたいと思います。

三年前の春、期待と不安を抱きながら、私たち四十六期生は、ここ豊中市立第十三中学校に入学しました。すべてが私たちにとって新鮮でした。

一年生の秋、校外学習で万博公園に行き、広場で行ったクラス対抗リレーでは、学年全体で盛り上がり、とても楽しかったです。いろんな行事を通して、私たちは少しずつお互いのことを知り、新しい環境にも慣れていきました。

しかし、その「慣れ」が、クラスや学年の課題として現れてきました。授業中であっても騒がしくなり、大切な話が聞こえなくなり、正しいことと、そうでないことの境界すら曖昧になっていきました。人間関係も固まり始め、男女の仲にも大きな隔たりが生まれ始めていました。

私たちはそのまま二年生になり、初めての宿泊行事であるキャンプでは、本来守るべきルールがあるにも関わらず、多くの人が違反物を持ちこみ、「安心」や「信頼」とは程遠い状況になっていきました

体育大会での応援旗作成や、クラス対抗種目への取り組みは、学年が一つになっていく大きなきっかけになりました。しかし、その後も学年には様々な問題が起きました。授業も決して安心して受けられる状況ではありませんでした。

そのような状況の中で、学校生活が心から楽しいとは思えず、一緒に笑って過ごしているけれど、それは表面だけのものもあり、本当の気持ちを伝えると、その関係さえも壊れてしまう。それが怖くて、本当の気持ちを言える勇気を持てない。でも、現状に満足して、納得しているわけではない。そんな複雑な気持ちを抱きながら、二年生の幕を閉じました。

 そして、三年生。楽しみにしていた修学旅行。しかし、その行先が発表されたとき、私たちの間には、驚きと戸惑いが広がりました。

さらに追い打ちをかけるように、部屋割りもバスの座席もすべてくじ引きで決めていくという方針を聞き、学年中がどよめきました。期待や楽しみよりも、不安や怖さが大きかったことの表れでした。

また、お菓子の有無についても学年全員で体育館に集まり、話し合うという初めての経験をしました。学年の中でも大きく意見が分かれ、戸惑うこともありましたが、この取り組みを通して得たものは、「二年生の時のような違反者を一人も出したくない」そして「誰一人として嫌な思いをすることの無い修学旅行にしたい」「四十六期生の現状を変えたい」そんな思いを一人ひとりが抱いているということに、私たち自身が気がつけたことでした。

修学旅行に向けての平和学習をしていく中で、悲惨な事実を改めて学ぶと共に、新たな視点で「戦争」というものに目を向け、平和とは何かを一冊の本を通して深く学びました。

先生方は、「平和とは何か」だけではなく、修学旅行に行く意味や、何を学ぶのか、について、何度も何度も私たちに問いかける姿がありました。そんな先生方の本気の気持ちが伝わり、私たちも真剣に考えることができました。そして、自分たちが実生活において、何を大切に生きていくべきなのかが、はっきりと見えてくるようになりました。

いろんな思いを抱えながら、私たちは広島へ行きました。絶対に忘れてはいけない歴史が、確実にそこにあることを感じました。私たちは残された資料を目の当たりにし、改めて戦争はすべてを奪ってしまう、とても悲惨なものであることを深く感じると共に、平和の尊さを学びました。

私たちは、原爆の子の像の前で、一人ひとりがしっかりと人権意識を持ち、決して人を傷つけず、互いを認め合い、今ある生活に感謝の心を忘れずに、これからの人生の一日一日を、一生懸命生き抜くことを誓いました。

共に「平和」について深く考え、思いを共有できたこと、仲間と協力することの楽しさを学べたこと、関わったことの無い仲間と他愛もない会話で笑い合えたこと、今まで知らなかった一面を知り合えたこと、そんな一つ一つが少しずつ小さな安心へと変わっていくことを実感できた、最高の三日間となりました。学年が大きく変わっていくきっかけを創ることができた修学旅行でした。

体育大会では、どのクラスも全力で、応援旗作成やダンス、競技に臨みました。そこには、賞をとることや勝ち負けを越えた、お互いの頑張りを認め合う温かい姿がありました。クラスが一つになり、そして学年として繋がっていく、安心できる学年へと成長しました。

 

私たちはこのように、多くの経験を通して、少しずつ成長することができました。相手を理解したいと思う気持ちが、本物の絆へと変わっていくことを、身をもって知りました。私たちは、失敗しても受け止め合えること。本音を語り合えること。そして、お互いを信じたいと思えること。それが、「仲間」だと、今なら胸を張って言えます。

たくさん悩んで決めた部活動。部活動は私たちをたくさん成長させてくれた場所です。ここで私たちは多くの人と出会い、様々な感情を分かち合いました。

入部当初は先輩方についていくことに必死で、大変なこともたくさんあることを知りました。二年生になり、初めて先輩という立場になり、一年生にうまく伝えることができず、人に教えることが難しいことだと実感しました。

先輩方が引退し、私たちが部活動を引っ張っていくようになり、目標へ向けて、毎日部員一丸となり、全力を尽くしました。そんな中で、練習での意識の差や熱量に、ズレが生じ、ぶつかることもありましたが、仲間たちと切磋琢磨し合ったあの日々は、かけがえのない私たちの思い出です。

心が折れそうな時、あたたかい言葉をかけて勇気づけてくれた顧問の先生。先生方には、技術面だけではなく、未熟な私たちを人としても成長させていただきました。

こうして部活動をやり抜くことができたのも、たくさんの人の支えがあったからだと、今思い返すと強く感じます。私たちを最後まで支えてくださり、ありがとうございました。

しんどい中でも三年間部活動をやり抜き、たくさんの仲間と共に頑張ったあの日々は、今後、私たちの人生の、大きな糧になってくれる、そう信じています。

 

先生方へ

十三中学校にきてまもなく、私たちは、異なる小学校の人との交流や部活動など初めてのことばかりで、胸の中はいつも不安でいっぱいでした。

学校生活ではトラブルがあり、しんどいときもありましたが、その都度先生方が話をしっかりと受け止め、どうしたら良いのか相談にのってくれたり、その後も気にかけて声をかけてくれました。

そして三年生になり、進路について本格的に考えるようになりました。放課後には勉強会も開いてくれました。先生方の「私たちを応援したい」という気持ちに、感謝でいっぱいです。

ときにはたくさん迷惑をかけてしまうこともあったけれど、そんな私たちを最後まで諦めずに、失敗を成長に繋げられるように、道を正してくれて、本当にありがとうございました。

先生方は、仲間でもあり、また保護者のような存在でもあり、私たちに寄り添い続けてくれた、最高の先生方です。

四十六期生が成長して、見違えるくらい立派になって、大人の仲間入りができた時には、また、私たちのこれから始まる新しい道の話を、聞いてください。ありがとうございました。

 

家族へ

今日までずっと支えてきてくれた家族へ、私たちの気持ちを伝えたいと思います。

これまでの学校生活の中で、楽しいことだけではなく、辛いことや、思い通りにならないこともたくさんありました。卒業を迎える今、家族と過ごしたすべての時間が、今の私たちに繋がっていることを感じています。

一年生の頃、朝早くから作ってくれたお弁当があったから、まだ慣れない部活も頑張れました。成績が伸びずに落ち込んだ時も、前向きな言葉で励ましてくれました。忙しいのに行事に来て見守ってくれました。ありがとう。

何気ない会話の中で、自分を大切にしてくれていることを実感し、安心できる家族の存在に甘え、冷たい態度をとってしまったこともありました。

イライラをぶつけてしまったり、心配してくれているのに素直になれなかったり、たくさん迷惑をかけました。でも、そんな私たちを家族は見放すことなく、変わらず支えてくれました。

そんな家族に何度も何度も救われて、ここまで成長することができました。これからも迷惑をかけるかもしれないけれど、少しずつ成長して、今度は自分が家族を支えられるような存在になっていきます。

正解のない大きな世界に進んでいく私たちをずっと見守っていてください。

 

四十六期のみんなへ

いよいよそれぞれの道に向かって、旅立つ時です。

仲間のために、自分の時間を惜しみなく割き、クラスのために、学年のためにと、一生懸命考えて動いてくれる人たちが、この学年にはたくさんいます。

何をするにもみんなが協力してくれて、共感してくれて、感謝してくれるから、だから僕もみんなの力になりたいと、心からそう思えました。ありがとう。

学年が少しずつだけど変わっていくことができたのは、ここにいる一人ひとりの意識が変わっていったからです。一人ひとりが仲間を思いやり、自分の弱さを受け止め、人との違いを受け入れ、理解しようと変わっていけたからこそ、今は心から、四十六期の一員でよかったと、そう思えます。

本当にみんなのおかげです。ありがとう。そしてこれからも、この縁を大事にしていこう。

素晴らしい出会い、経験をくれた十三中、私たちのために、こんなに立派な卒業式を創り上げてくださった皆様、本当にありがとうございました。

明日から私たちは、それぞれの道を歩み始めます。正解のない世界で迷うこともあるかもしれません。でも、自分で選び抜いた道こそが、自分だけの正解になると信じて、私たちは前へ進みます。

     

令和7年(2025年) 3月14日