であいとつながりをもとめて    令和2年(2020年)1月17日

いのちと安全を考える日

 この日を忘れない~阪神大震災25年

 六中生徒会で取り組んでいる「ダルニー奨学金の取り組み」が、豊中市公式フェイスブック、豊中市公式広報ツイッターで紹介されました。これは、庄内出張所や庄内図書館に回収箱を設置しているので、少しでも多くの市民の方に協力してもらえればと豊中広報で考えられて行われたものです。このダルニー奨学金の取り組みは、歴史が長く、今から27年前の「中学生シンポジウム」で、18の中学校で一緒に取り組んでいけるものはないかと話し合われ始まったものです。六中では、その時よりずっと継続して取り組んできています。
 

ダルニー奨学金の紹介

 さて、本日1月17日は、阪神・淡路大震災が起こって、25年目を迎えます。25年前の1995年1月17日の早朝5時46分に想像を超えるような大きな地震(マグニチュード7.3)があり、神戸や淡路島を中心に大きな被害がもたらされました。6434人もの多くの方の命や大切なもの、そしてたくさんの思い出を奪い去ってしまったのです。大阪でも大きな被害があり、その中で一番被害が大きかったのが豊中であり、中でもこの庄内地域でした。25年前ですから、今の六中生は、その時のことは直接経験していません。しかし、保護者の方や地域の方々、あるいは自分の身近な人の中には大きな被害を受けた方も多数おられるのです。そして当時、六中体育館は避難所となり、たくさんの方が避難(多い時には、600名)されていました。ですから、その時の教訓をしっかり「語り継いでいく」ために、六中では、1月17日を「いのちと安全を考える日」と位置づけ、当時をふり返るとともに、いのちや安全について考える日としています。また一方では、悲惨な状況でつらい思いをしている中、たくさんの方々がボランティアにかけつけてこられたり、支援や応援があり、とても勇気づけられたのです。その中に、じつは「ダルニー奨学金」で支援をしていたタイの中学生から「一日も早く元気を取り戻してください」という励ましの手紙をいただいたのです。この年も、避難所生活をしている生徒からも書き損じはがきは届けられていました。厳しい状況の中でしたが、タイの中学生との絆が深まったと実感したできごとでした。

当時の新聞報道から

 

 震災のあった年の中学生シンポジウム(1995年9月6日開催)で、「阪神・淡路大震災に対する取り組み」いう特別報告で、六中生徒会が発表した内容について、その一部ですが、今年も掲載しておきたいと思います。(生徒会誌「ポプラ」38号より抜粋)
当時の悲惨な状況やつらい中で頑張ってきた仲間のこと、その中で周りの人たちの温かい気持ちにふれることができたこと等、とても伝わってくるものがあります。

<中学生シンポジウム(1995.9.6)での報告概要(一部)>
 

◆ 六中も水道管が割れて水浸しになったり、渡り廊下にひびが入り、使えなくなりました。そんな六中も避難所になり、多いときは600人ぐらいの避難者の方がおられました。その避難された方々も卒業式まで何十人もの人がいらっしゃったのですが、六中の卒業式は六中の体育館であげさせてあげるべきだという避難者の方々のご厚意があり、卒業式にあわせて避難者の方々が移動先に移動していただきました。その結果、今年の3月の卒業式はすばらしいものになり、とてもうれしい思いをしました。
◆ 六中ではたくさんの仲間が被災にあい、避難所に避難
しました。その中の数人は、体育館から登校するという状況になりました。体育館の生活はとてもつらいもので、体調をくずし、風邪をひいたり日頃かからない病気になる仲間もいました。また、その年の3年生の中で、家をなくされた方がおられ、毎日夜10時まで職員室で勉強され、受験に挑戦された方もいらっしゃいました。
◆ 六中生徒会執行部は、多くの仲間が避難したことを知り、
学校生活を共にする仲間のために何かできないかと考えました。多くの被災にあった仲間がいる中、義援金を集めるには少し抵抗がありましたが、自分のお小遣いの中から無理のないようにということで、3日間、正門と西門で活動しました。みんな被災しているにも関わらず、たくさんの六中生の気持ちが集まり、必要以上に重みを感じました。
◆ 六中はテレビなどで被災の状況が報道されたので、たく
さんの学校から応援していただきました。近くの学校からかなり遠くの学校まで、たくさんの方々が六中を応援してくれました。あの忌まわしい震災があり、元気をなくしていた六中でしたが、皆さんのあたたかい励ましで、校内も元気を取り戻すことができました。豊中の18校での仲間づくりの活動を実感しました。六中に元気と勇気を与えてくださった皆さんに感謝します。また今回、私たちがサポートしているダルニー奨学金・書き損じ葉書キャンペーンの奨学生の皆さんからも励ましの手紙とパコマという布をいただきました。私たちはサポートするだけではなく、お互いに支え合っている、国境を越えた仲間づくりをしているのだと感じました。私たちの海外の仲間にも感謝の気持ちを送りたいと思います。
 

避難所のようす① 避難所のようす② 当時の生徒会ニュース 三中からのメッセージ