野畑小学校 公開授業研究会(11/28)

豊中市立野畑小学校 は、昨年度から豊中市校内研究推進事業「情報活用能力の育成」を受け、

「自分の意見や考えを伝え、対話を通して、互いに学びにあう子ども」

「対話的な力(しっかり聴き、自分の意見や考えを伝える)」の育成を目指した授業づくり~ICT活用の有効性の研究~」

を研究主題に、研究を進めています。

 

1年生 「学校マップをつくって、しょうかいしよう」

1年生は学校の中で発見した植物を自分たちで撮影し、その植物を調べてマップを作成していく取り組みに挑戦しました。

前時では、撮影した植物の写真を3枚選び、学校マップ(発表ノート)に貼り付けました。

本時では、先生が作ったオリジナルの図鑑や本を使って、自分が撮影した植物の名前を調べます。

  

友だちと相談しながら図鑑や絵本を使って自分の植物を探します。見つけたら、マップの写真に名前を書き込みます。

タッチペンを使いながら慣れた様子で名前を書き込みます。

やり方がわからない時にはお隣さんに教えてもらうなど、ペアで作業を進めていました。

  

できたマップを使って、お隣さんと発表し合います。最後は、みんなの前で発表したい人が発表しました。

友だちの発表を聞く時には、全員がタブレットを閉じて友だちのマップに注目して聞いていました。

次の授業では、みんなのマップを繋げてクラス全員の写真が入った大きなマップ作成していきます。

 

6年生 「正五角形をすみずみ確かめよう」

6年生では、前時までに学習した線対称、点対称について正五角形ですみずみ確かめていきます。

まず、一人一枚配布された五角形のシートを実際に折ったり線を引いたりして線対称か点対称かを確認します。

確認できたら、どうやって確認したのかをそれぞれが SKYMENU Cloud の気づきメモに載せていきます。

  

友だちが撮影したものをそれぞれが確認しながら、自分の方法と同じところや違うところを確認し、すごいと思ったものには「イイネ」で反応します。

中には、確かめた方法を動画で撮影している人もいました。先生は、次々とアップされるメモの中から、共有が必要なものはその都度声をかけて全体で共有していきます。

説明する途中で、自分の手持ちの紙では小さく見づらいことや説明がしづらいことに気づいたある児童は「ちょっと待って」と言うと、自分の説明したいことをすぐさま動画に撮影して気づきメモに載せました。そのタイミングを逃さず先生がみんなに紹介し全体で共有。友だちが動画を載せていたことをヒントに、自分の伝えたいことを伝えたいように伝えることができました。

        

友だちのメモを何度も見返したり、良い気づきをスクリーンショットして保存したり、みんなの気づきメモを元にノートをまとめたりとそれぞれが自分のペースで学習を進める様子が見られました。

タブレットだけで完結するのではなく、ノートやワークシート等を同時に使ったり黒板には学習の足跡を残したりするなどして、デジタルの良さとアナログの良さをそれぞれ活かしてハイブリットに活動を進めていたところ、そして何より子どもの活動量が多く、子ども達が自ら楽しく学習を進めていたことが、1年生と6年生に共通していました。

事後研究会では、実践学年からの発表の後、グループに分かれて討議を行いました。

その後、大阪教育大学 森田 英嗣 教授 より助言をいただきました。

1年生の取り組みでは、図書との繋がりが見られた点や調べ学習としても良かったというお話から、「問う人間を育てる」のは難題である中、1年生の先生方が子どもたちに寄り添い、子どもたちの今いるところに一緒に立ちながら学習を進めていることが素晴らしいとおっしゃっていました。

6年生の取り組みでは、気づきメモというツールを見事に使いこなし、子どもたちのたくさんのアイディアをこれまでとは違う吸い取り方をした新しい授業を見せてもらったとおっしゃっていました。

写真やビデオなどのインパクトの強さは視覚等五感に働きかけていく学習の良さがあることや、探求が学びの面白さの醍醐味であること、自立的に探求できる人になっていくために、今回の6年生の授業の提案は今後にも期待できるということも伝えてくださいました。

そして最後に、

  • 一人一台端末という状況は今が最初の世代の教員だからこそ、それぞれの経験を持ちながら研究を進める姿勢。
  • 教員自身が探究心を持って取り組むこと姿勢。
  • 完成度ではなく、可能性を楽しみながら、出来上がっていくものを見る姿勢。

を大切に、これからも研究を進めていってほしいという思いを語ってくださいました。

最後のまとめの中で 田平校長先生は、

『子どもたちには生涯にわたって探究する力をつけていきたい。そのためには、先生自身がロールモデルとして楽しみながら研究に取り組んでいくことが大切であること。そうして、あきらめずに「自分の意見や考えを伝え、対話を通して、互いに学びにあう子ども」を追求していきたい。』

とおっしゃっていました。

 

子どもたち、そして先生方の探究する姿がたくさん見られた野畑小学校の取り組みでした。