ともだちとともに ねばり強さと やさしい心で まなびあう刀根っ子

「人と違う」を、お互いに応援しあうことの素敵さを!

 私は例年、6年生全クラスに1時間ずつ、「室町文化の秘密」というテーマで授業をさせていただいています。室町文化(例えば、金閣、銀閣、龍安寺の石庭など)を創造した人々の工夫や努力、技術力の高さについて紹介し、その創造した人々が、実は差別の対象とされた人々であるという話を伝えています。当時の日本人は、自身の生活に変化もたらす事象(天変地異、死、病気、火事)や、自分が持っていない能力に恐れをなし、それらの事象や能力を「けがれ」と呼び、忌み嫌いました。そして、「けがれ」にかかわる仕事に従事する人々や自分にはない能力を持った人々を「自分とは違う、異質な存在」として関わりを避けて差別していました。子どもたちにその話をすると、「そんなすごい力を持つ人たちが差別されるのはおかしい」「昔から差別があったことに驚いた」等様々な感想をくれます。

「あの子は私たちと違う」と判断して避けてしまったり、「自分だけがみんなと違う」と自分に自信が持てなかったりする子どもたちはいないでしょうか。きっと少なくないのではと思います。私たち社会人はどうでしょうか。私は、そのことを考える機会にしたい、そして今後成長する過程で「差別」について正しく判断していける大人になってほしいとの願いで、6年生に話しています。

 先日、徳島県の神山町に昨年開校された「神山まるごと高等専門学校」の理事長の話を聞く機会を得ました。この学校は、これからの社会で求められる「テクノロジー」「デザイン」「起業精神」それらを丸ごと学べる学校として、今注目されています。この学校では、子どもたち一人ひとりが人と違う発想を持ち、「こんなものを作りたい」「つくるために何が必要か」を仲間たちと時間をかけて追及することを全面的に応援しているとの話を聞きました。

子どもたちが人と違う部分を自信もって発信し、そしてその発信を仲間同士で応援し合える風土がある学校になるよう、日々教育実践を推進していきたいと考えています。

11月の学習発表会、12月の作品展も、一人ひとりの子どもたちにとって「自分らしさ」が発信できる機会になることを切に願っています。たくさんの保護者の方のご来場、お待ちしています。

 

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