であいとつながりをもとめて

  伝統をうけつぎ 未来をつくる

  ~「自治の力」と「信頼感」を高めるために

 今年は、久しぶりに桜の花が満開となる中で入学式を迎えることができました。

 緊張した面持ちで80名の新1年生である73期生を迎え、たくさんの保護者の方、来賓の方にかけつけていただいた中で、無事に終えることができました。ありがとうございました。

 そして10日には、3学年そろって始業式を迎え、新しいクラス・学年となって、期待と不安が交錯する中、これから始まる学校生活を前向きにすすめようとの思いが感じられるような話を聞く姿勢もしっかりできた引き締まった始業式となりました。

 今年はなんといっても、第六中創立70周年を迎えるという大きな節目の年となります。昭和22年(1947年)4月に、豊能郡庄内町立中学校として創設され、昭和30年(1955年)豊中市と庄内町の合併に伴い豊中市立庄内中学校となり、昭和34年(1959年)豊中市立第六中学校と校名が変更され、現在に至っています。一方で、南部再編に伴う「魅力ある学校づくり」(小中一貫校)にむけた動きも具体的にすすめられていく年ともなってきます。そこで、70周年という節目にあたり、これまで築き上げてきた伝統をふり返るとともに未来を展望していくために、「伝統をうけつぎ、未来をつくる」というテーマ(スローガン)で取り組むと決めました。これまで六中が積み上げてきた「よき伝統」をしっかり受けつぎ、未来の「魅力ある学校づくり」につなげていってほしいとの考えからです。その「伝統」の中味を考えていった時、かつて厳しい荒れの時代を乗り越えてきたキーワードが、「自治の力」と「信頼感」だと実感しました。つまり生徒会活動を軸に取り組んできた「自分たちの学校は、自分たちでよくしていこう」という「自治の力と仲間づくり」の中味が、やっぱり「六中の伝統」だと思います。3月18日には、生徒会役員OBの方々に来ていただき、当時の状況やその時の思いを現役の生徒会役員が聞きとるという交流会をもちました。そこでは、先輩方が積み上げてきた活動に対する思いがビンビン伝わってくるもので、とりわけ「仲間づくり」へのこだわりの強さを実感するものとなったと思います。

 次にあげるのは、52期生の神麻順子さんの語りの一部です。

 クラスの中でなかなか落ち着いて勉強できない、教室を飛び出してしまういわゆるヤンキーの子がおって「あの子をほって自分らだけ勉強して、何が六中やねん。」「ほったらかしにしてていいんか」と言われた。私は、代議員やってたので、飛び出していったら終礼の時に呼びに行くわけです。私は勝気やから「また出ていっただるいわ。私が呼びにいかなあかんのに、早よ戻ってきいや」と言いながら呼びに行ったら、へらへら笑って「お前もご苦労やな」みたいな感じで、いらいらしながら「はよ帰って来い」と言ったりしてた。

私はちょうど中3の9月に、お父さんが亡くなって、しんどくて周りのことを考えられないもう学校行きたくなくて思った。そやけど葬式に、クラスのほとんどの子が来てくれて、ありがたいな、早く学校へ行きたいと思った。学校に行ったら、終礼の時に呼びに行ってたヤンキーが『お前も大変やな。でも俺も頑張るから、お前も頑張れよ』と言われて、今でも思い出したらうれしくて、自分は一生懸命声かけて終礼の時に帰ってこいよと言ってたけど、響いてくれてたんやなって、その時、仲間づくりといってた3年間が、その子が私に励ましの声をかけてくれたと思うと、「仲間づくり」という言葉は、ほんまに大事なことやったと今でもう私の中に残っています。

 そんな思いをうけついで、これからの六中をつくっていってほしいと子どもたちには、始業式で話しました。そのために一人ひとりが大切にしてほしいキーワードが「自分を信じ、仲間を信じてエンパワメント」だと思います。六中生は、今何事にも前向きに取り組み、頑張る姿をしっかり見せてくれています。しかし一人ひとりを見た時には、人間関係に不安感をもったり、勉強やクラブのことで悩んで後ろ向きになったりと自信のなさを強くもっていると感じてきました。子どもたちには「自分の中に様々な力や可能性があること」を信じて、目の前に現れる壁にぶつかっても、そこでへこたれることなく乗り越えていこうとする力をつけてほしいと考えています。これから出会う様々な人との関係の中で、自分の多面性に気づき、どんどん自分が創られていくものだと思います。そのためにも今年度も、ご家庭と連携して子どもたちの育ちと学びをサポートするネットワークを築いていきたいと思います。遅くなりましたが、六中校長も4年目に入りました亀谷です。また、「学校だより」を定期的に発行し、学校での様子や情報をお知らせしたいと思っていますので、ご理解、ご協力をお願いいたします。

 

 生徒会も動き出しました

 始業式の後、前年度後記生徒会役員の退任のあいさつを代表して佐々木颯さんからありました。引き続いて、今年度前期生徒会役員の認証式(会長に北野翔さん、副会長には佐多颯太さん、松本拓真さん、書記には松井瑞恵さん、松浦咲茅さん、会計には瀬戸亮生さん)が行われ、それぞれに力強く決意のあいさつを行いました。続いて1年生と2.3年生との「対面式」が行われました。生徒会長の北野翔さんからが一・二年を代表しての「歓迎のことば」、そして新入生を代表して田島美依菜さんから「誓いのことば」をそれぞれしっかり語りきりました。いよいよ生徒会活動もスタートします。 

 

<誓いのことば>

 新しい制服に身をつつみ、あいさつロードを歩くと、いつもの景色も違って見えます。

 先週の金曜日、私たちは入学式を終えて、晴れて豊中市立第六中学校の生徒になりました。そして今日は、二年生、三年生の先輩方にお会いできてとてもうれしく思います。

 これから始まる中学校生活では、たくさんの楽しみがあります。例えば、授業では教科ごとに先生が変わり、いろいろな先生方から学ぶことができること、そして部活動では、同じ目標を持つ仲間と、結果が残せるように高め合うことなどです。またこの六中は生徒会活動がさかんで、「仲間作り」を大切にされていると聞きました。私たちも生徒会の一員として、この七十三期生の仲間とともに、時には競い、時には手を取り合い、ともに充実した三年間を過ごせるように頑張りたいです。そして小学校で学んだ「仲間とともに学ぶ楽しさ」を中学校でも実現して、仲間とあたたかい関係を築いていきます。

そして中学校でも新しいことにチャレンジしていくことをここに誓います。先輩のみなさん、今日からよろしくお願いします。

<歓迎のことば>

  新入生のみなさんご入学おめでとうございます。私たちは皆さんが入学してくるのを心待ちにしていました。

 小学校を卒業して、新しい学校生活が始まることに今は期待と不安で胸がいっぱいになっていることと思います。でも、心配はいりません。私たちが先輩として皆さんのお手伝いをします。後ろにある横断幕をみてください。「レベルアップ~自分たちから行動し、仲間とともに一歩ずつ~」これは、、生徒会を中心にして、学級討議、生徒総会を経て決めた六中のスローガンです。六中の生徒会では「仲間づくり」を大切にして活動しています。これをもとに、前期には体育大会の応援合戦や校外学習を行い、後期には三年生を送る会や合唱祭も行います。その時に仲間を認め合い、ともに活動する事ができるように取り組んでいます。それを先生に頼らず、自分たちで学校生活をよりよいものにしていくことが中学校生活の大切なことであると思います。

 これらの活動の中心となっているのが生徒会です。みなさんも今日から私たちと同じ、この六中生徒会の一員となります。是非、生徒会の委員会活動に参加してもらいたいと思います。

 さらに、今年度は六中の創立七十周年の記念すべき年になります。六中のよき伝統を引き継ぎ、皆さんにとって過ごしやすい学校をともにつくっていきましょう。

 何か分からないことがあれば、優しい先生方や私たち先輩に積極的に話しかけてください。これからがんばっていきましょう。