3月13日金曜日 第47回卒業式
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豊中市立第十三中学校 第47回卒業式を挙行しました。今年度は、在校生の代表が出席し、3年生に向けて心のこもった「送辞」を行いました。3年生からは、3年間の成長、感謝の詰まった「答辞」があり、卒業式全体も本当に素晴らしい式となりました。わたくしからは、「式辞」として以下の言葉を送りました。
---式辞---
ただいま卒業証書を授与しました第47期生の皆さん、卒業おめでとう。
この春の訪れを想う佳き日に、旅立ちの時を迎えた皆さんの、晴れやかな、成長した姿を見ることができたことは、私たち第十三中学校の教職員にとって、この上ない喜びです。
また、本日は、卒業生を祝福するために、多くの方が駆けつけてくださいました。学校運営協議会委員の皆さまをはじめ、日ごろ地域でお世話になっている皆さま、ご来賓の皆さま、ご多用中にもかかわらず、ご臨席を賜りましたこと、厚く御礼を申し上げます。またこれまで生徒たちを見守ってくださり、温かなご支援を賜りましたこと、重ねて御礼を申し上げます。
さて、卒業生の皆さん、中学校生活も今日で終わり、いよいよ旅立ちの時です。入学してからこの日を迎えるまで、本当に色々なことがあったと思います。
先日、あなたたちの卒業アルバムをめくりながら3年間どのように成長してきたかをゆっくりと見させていただきました。皆さんが本校に入学した3年前は、まだ新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策の下にあり、入学式の姿も全員がマスク姿でした。ようやく5月から感染症の位置付けが五類に移行したばかりでした。はじめは、活動制限がある中で学校生活を送らなければなりませんでしたが、学年が進むにつれて学校での日常生活も戻り始めました。2年生での宿泊行事、3年生での修学旅行では、学校を離れ仲間とともに過ごし、そこでしか創ることができない仲間との様々な取り組みを通じて多くの経験を積んだことと思います。
そして、3年間積み上げてきた合唱コンクールや体育大会。特に体育大会では、全校で取り組むことができる唯一の行事で、素晴らしい先輩としての姿を見ることができました 。アルバムにはその成長の足跡と充実した日々が記録として残されていました。
そういえば、3年前の入学式の誓いの言葉も拝見しました。そこでは期待と不安の中、新しい仲間と共に勉強や部活動に全力を尽くし、悔いの残らない3年間にすることを宣誓していました。
あなたにとって、この時の誓い「全力を尽くし、悔いの残らない3年間」でしたか。ゆっくりと振り返り、あなたがこの十三中で得た「宝者」をしっかりと握りしめ、これからの新しい日々に向かっていってください。 では、卒業に当たり、皆さんに2つのことをお伝えしたいと思います。
1つめは、これから新しい世界へと踏み出す皆さんに、大切にしてほしい考え方があります。それは「自立」と「多様性の受容」についてです。
かつて、とある国立大学の入学式で、社会学者の上野千鶴子さんが新入生に贈った言葉があります。「あなたたちが今日『がんばったら報われる』と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、手を持ってひきあげてくれたからだということを忘れないでください」 皆さんはこの3年間、勉強や行事、部活動に全力で取り組んできました。その努力は紛れもなく本物です。しかし、同時に気づいてほしいのです。みなさんが「頑張ることができた」のは、決して自分一人の力だけではありません。支えてくれた家族、共に過ごした仲間、多くのことを伝え、学ぶ機会を与えてくれた先生、温かく見守ってくれた地域の皆さんという「環境」に恵まれていたからこそ、今のあなたたちが存在するのです。
本当の「自立」とは、何でも一人で完璧にこなすことではありません。自分の力の限界を知り、周囲の支えに感謝し、必要な時には「助けて」と言える勇気を持つことです。
また、上野さんはこうも述べています。「強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。弱者が弱者のままで尊重されることを求めてください」 これから皆さんが進む社会は、多様な背景を持つ人々が共に生きる場所です。多様性を受け入れるとは、単に自分と違う誰かを認めることだけではありません。自分自身の「弱さ」を認め、許せるようになることです。自分の不完全さを知る人こそが、他人の不完全さを優しく包み込むことができます。皆さんがこれから手にする知識や能力を、どうか自分一人が勝ち抜くためだけに使わないでください。豊かな環境で育んだその力を、誰かを助けるために、そして誰もが自分らしくいられる社会を作るために使ってほしいと願っています。
2つめは、先ほど「自立」と「多様性の受容」の話の中で「自分自身の『弱さ』を認め、許せるようになること」と言いましたが、皆さんがこれから歩み出す社会は、時に厳しく、高い壁となって皆さんの前に立ちはだかることもあるでしょう。そして自分自身の弱さに直面し、自信を失いそうになる日が必ず訪れます。そんな時のあなたに伝えたい言葉があります。
「さぁ、怖くはない 不安はない 私の夢はみんなの願い」「大丈夫よ 私は最強!」
これは、皆さんもご存じだと思います歌手・Adoさんの楽曲の一節です。この一節は、私自身、毎朝の自分自身の心を起こすパワーソングです。皆さん「私は最強」という言葉を聴いて、どう感じますか。「自分はそんなに強くない」「特別な才能なんてない」と思うかもしれません。しかし、私が皆さんに伝えたい『最強』とは、失敗をしないことでも、常に勝ち続けることでもありません。
本当の『最強』とは、何度転んでも『自分なら大丈夫だ』と自分を信じ、再び顔を上げる力のことです 。たとえ周囲が反対しても、たとえ自分を疑いたくなっても、今日まで歩んできた自分の足跡だけは、嘘をつきません。
皆さんの夢や希望は、決して自分一人だけのものではありません。皆さんが自分を信じて突き進む姿は、いつか必ず、誰かの勇気や願いに変わります。
もし困難に出会ったら、この歌を思い出し、胸を張ってください。あなたは、あなた自身の人生において、他の誰でもない『最強』の存在なのです。
最後になりましたが、本日、ご列席をいただきました保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。心よりお喜び申し上げます。また、これまで本校の教育活動に、深いご理解と多くのご協力をいただきましたこと、厚く御礼を申し上げます。これまで様々な思いでお子様の成長を見守ってこられたことと存じます。今日、こうして卒業の日を迎えたお子様の姿をご覧になられて、喜びを噛みしめていらっしゃることと思います。改めまして、お子様のご卒業をお喜び申し上げます。
さて、旅立ちの時が近づいてきました。皆さんにとっては新しい毎日の始まりです。どうか、健康にだけは気をつけてください。世界のどこかで活躍している皆さんがいることを楽しみにしています。
そして、50周年を迎える第十三中学校ですが、100周年を迎える50年後、皆さんが集まった時には様々な経験を積み、今よりもっと人とのつながりを感じ、自分も相手も認める心を持とうとしている人になっていることを願っています。
第十三中学校を卒業し、次のステージに進んで行くあなたたちが、いつの日か多くの夢を叶えて、豊かな人生を送られんことを、そして、あなたたちの人生が幸多きものとなりますように、心からお祈りし、私の式辞といたします。
卒業、おめでとう。
そして、毎日があなたにとって素敵であるように。
令和8年(2026年)3月13日 豊中市立第十三中学校 校長 藤原 崇



