にがりまき1 

 にがり とんぼでひろがり

グランド整備 

にがりまき:縞模様(写真1) にがりまき:トンボ組(写真2)

にがりまき:ブラシ組(写真3)

  九中いたるところ体育大会あり・・ 体育大会の準備は着々と進んでいます。先週末から大型台風18号が九中を横切りましたが今週は心配ありません。全体練習前日の運動場はお日様が、にっこり笑顔SUNと時折顔をのぞかせてくれます。汗ばむ陽気です。指揮の先生の声が運動場に響くなか”にがりまき”が始まりました。明日の全体練習のために。にがりまき  

 苦虫(にがむし) 

 体育大会に向けて、「九中いたるところ体育大会の準備あり」が始まっている。「人間(じんかん)到る処青山有り」からの引用である。さて、苦虫とは、かめば苦かろうと思われる虫である。だから、”苦虫を噛み潰したよう”と言えば、きわめて苦々しい顔つきをしている人をいう。スマホの画面からいつまでも離れない、あなた。食事中も離れないときの親御さんの顔がたぶんそうである。SNSはTPO(時間・場所・場合)を考えて使おう。

 今日のグランドに”不機嫌そうな表情”をしている苦虫はいなかった。

 だから(式・四季・指揮)の体育科教諭が放課後「マイクを持ってずっと苦虫を噛み潰したような顔をしていたが、何かあったのだろうか?」という心配する場面もまったくなく、もちろん「甘い虫」をなめることもなかった。体育科教諭は甘い顔をせず生徒達の動きを寄り添うように見守る。グランドに苦虫はいず、”にがり”がいたのだ。

 苦汁(にがり)

  にがりとは、海水から食塩をとった残りのにがい液である。塩化マグネシウムを主成分とし、豆腐の凝固剤などに用いられるが、テニスコートやグランドにまくのも”にがり”という。では、何のためにグランドに”にがり”を(巻・撒・幕)くのか?砂ぼこりを抑え(防塵)、土質を安定させ締めるためだ。運動をするのに快適な環境を維持するメリットが”にがり”にある。

 まずプール更衣室に置いてあった約100袋のにがりをグランドの南北両サイドに置いた。にがりの袋は一袋25kg。野球部・サッカー部・陸上部員が2人ひと組となり袋に穴を開け、袋を持ちグランドに流しながら歩く。重い。だが最初重くても徐々に軽くなるのがうれしい。袋が空っぽになったところでグランド一面に縞模様が出来上がった(写真1)。次はトンボの出番だ。白い縞にクロスするように”にがり”をトンボで拡げて行く(写真2)。

 指揮の体育科教諭がマイクで的確に指示をする。「同じルートをくり返し歩いて2往復してください。直接手に触れないよう最後はしっかり靴をはたいて。」にがり縞が消え土になじむ。仕上げはブラシ組の出番(写真3)だ。美しくグランドにひろがっていく。”苦汁(にがり)”は体育大会前に運動場を締め怪我防止につなげてくれる。”苦汁(にがり)”はまた”苦汁(くじゅう)”とも読む。体育大会では誰も”苦汁(くじゅう)”をなめて欲しくない。転んでほしくない。体育大会は誰かの仕事で出来ていた。

怪我防止 誰かの仕事 にがりまき

にがりまき 秋のグランド トンボ舞う