マチカネ先生塾第8回目『 授業基礎力講座③ 教科等(読書活動)』(2024/1/13)


今回は授業基礎力講座③として豊中市教育委員会事務局読書振興課より4人の講師の先生をお招きし、読書活動についての講話・演習をいただきました。


まず、平井先生より『公共図書館がささえる、「ふだん使いの学校図書館」』をテーマにした講話をしていただきました。
公共図書館と学校図書館を比較しながら、図書館としての特色について分かりやすくお話していただきました。豊中市としての特色の一つに、全市立学校に専任の学校司書を配置している事があります。これは大阪府下でも非常に珍しいことです。システム・物流等の環境整備の面において豊中市は読書活動を推進していくシステムが整っています。その他にも、「学校図書館支援ライブラリー」として教員支援体制も充実しています。


 
続いて、「読み聞かせをしてみよう」ということで、榎先生に読み聞かせについて実践講話をいただきました。
実際に読み聞かせをしていただきました。今回読み聞かせていただいた本は、最終ページまでいくと今度は本を逆さまにして続きを読むという面白い仕組みの本でした。受講生もすっかり夢中になっている様子でした。
絵本は、文章と絵とで組み立てられている装丁も含めて一つの芸術作品となっているものです。絵本を読み聞かせをしてもらうことは、耳で文章を聞きながら目で絵を追い、両方の情報を整理しながら読むので、大人にとっても実は難しいことです。だからこそ、子どもたちに読み聞かせをすることは有効でもあり、また気を付けていくポイントもあります。

● 読み聞かせの本を選ぶときには、次の3つのポイントに気をつけます。

① 本の大きさ
② 絵の細かさ
③ おはなしの長さ

⭐︎ 絵本としての評価とは別に、集団への読み聞かせには、向く本と向かない本がある
⭐︎ 読み聞かせをする相手のことを想定して本を選ぶ
⭐︎ 自分が好きな本を選ぶ

また、読み聞かせはコミュニケーションツールとして使うこともできるので、テーマ性を意識して選ぶことで先生として子どもたちに伝えたいメッセージを子どもに伝えることもできます。

  
さて、いよいよ読み聞かせ体験です。
まず好きな本を1人ずつ選びます。次に読み方についてのレクチャーを受けます。

 
さぁ、いよいよ読み聞かせに挑戦です。
ペアの相手に一生懸命読み聞かせる受講生たち。途中には、先生方からアドバイスをもらいました。

実際に体験すると、思っている以上に読むことを感じる事ができたと同時に、読み聞かせの奥の深さを知りました。読んだ後には、みんなで色々な本を味わい楽しみました。

  
続いて、龜井先生より「学校図書館の活用しよう!」をテーマに講話と演習をいただきました。
調べ学習の際に気をつけるポイントや情報活用能力を身につけるためにもタブレットと図書館資料のハイブリッド活用を進めていくことの大切さなどを教えていただきました。
子どもたちが複数の資料の中から、自分で信頼できる情報を見極めたり情報を活用したりする力を身につけるためにも、タブレットだけでなく図書館を適切に活用することを指導していくことも必要です。


調べ学習を進める際には、情報カードというカードを活用することも有効です。著作権等について学ぶこともできます。

そして、実際に図鑑を活用してみました。

まず本の扱い方についても教えていただきました。本の持ち方、運び方、扱い方など、子どもたちが本を丁寧に扱うように教えていくことも読書活動を進める時の教師の役割の一つです。
次に実際に図鑑を活用して前に表示された猿を調べてみました。図鑑の使い方で大切なことは、目次を活用することや索引を活用することです。これらを上手に活用することで情報を早く見つける事ができます。子どもたちにも、これらの活用が上手にできるように指導していく事が大切です。

次はワークシートを使った調べ学習にチャレンジしました。

教師と学校図書館司書との連携を大切にして読書活動を推進していくことも豊中市では大切にしていることです。そうすることで教師主導でクラスで図鑑指導をした後に、司書主導で図書の時間にゲームをするなどということもできます。1校に1人の学校図書館司書がいる強みをどんどん生かしていってほしいというお話を聞かせてくださいました。

最後はみんなでアニマシオン体験をしました。アニマシオンとは、モンセラ・サルトさんが考案した、子どもが読書が好きになるように導くための読書の指導メソッドです。「読書へのアニマシオン 75の作戦」という本では様々なアクティブな読書方法が作戦として紹介されています。

  

今回はその中の一つにチャレンジしました。一人ひとりが中身のわからない封筒を引き、そこに書かれている登場人物になりきるという作戦にチャレンジしました。先生の読み聞かせに合わせて、演じるという初めての体験に最初はどぎまぎしていた受講生たち。

 

それでも、みんなで演じる中で自然と協力したり笑いが起こったりと、最後にはみんなで楽しむ姿が見られました。

 

一口に読書といっても、味わい方から伝え方など、読書の奥の深さを体感しながら学ぶことのできた第8回となりました。