米大リーグ・マリナーズなどで活躍したイチローさんが、高校を訪問して指導する取り組みの7回目として北海道の旭川東高校を訪れた記事を友人が送ってきてくれた。

 

このブログを見ている友人は、ありがたいことに時々こうした記事をLINEで送ってきてくれるのだ。

帰宅してスポーツニュースを見ていたら、イチローさんの打球がその高校の離れた校舎の窓ガラスを直撃した割ったことが報じられていた。翌朝のニュースでも報じられていたのでご覧になった方も多いだろう。

 

 友人が送ってくれたニュースは、その打撃の話ではなく高校球児らに語ったイチローさんのセリフについてだった。

 

 一部を紹介すると… 

 

…談義では、学生野球を取り巻く指導の環境についても語った。「高校生で自分を導くのは難しい。でも、結局自分しかいなくなっちゃう。だってそういう存在いないでしょ。ということは自分に厳しくせざるをえない。自分を高めていこうと思ったら。自分に厳しくできる人間、中にはいますよ。そうするとどんどん自分を厳しい方に持っていく、厳しい道を選ぶ、それは若いうちにしかできないこと。でもそれを重ねていったら、大変で挫折することもあると思うけど、そうなれたらめっちゃ強くなる。でも、導いてくれる人がいないと楽な方に行くでしょ。自分に甘えが出て、結局苦労するのは自分。厳しくできる人間と自分に甘い人間、どんどん差が出てくる。厳しくできる人間はどんどん求めていくわけだから。うまくなったり強くなったりできる。求めてくる人に対しては求められる側もそれはできる。でも求めてくれなかったらできないから。でも自分を甘やかすことはいくらでも今できちゃう。そうなってほしくない。いずれ苦しむ日が来るから。大人になって、社会に出てからも必ず来る。できるだけ自分を律して厳しくする」。高校生とはいえ、自らを追い込み挫折も味わって強くなると説いた。

 

チームについても「本当はこれ言いたいけどやめとこうかなってあるでしょ。でも、信頼関係が築けていたらできる。おまえそれ違うだろって。いいことはもちろん褒める。でも、そうじゃない。言わなきゃいけないことは同級生・先輩・後輩あるけど…1年から2年に言ったっていいよ今は、大丈夫。そういう関係が築けたらチームや組織は絶対強くなりますよ。でもそれを遠慮して、みんなとうまく仲良くやる、ではいずれ壁が来ると思う」と述べた。

 

また「今の時代、指導する側が厳しくできなくなって。何年くらいなるかな。僕が初めて高校野球の指導にいったのが2020年の秋、智弁和歌山だね。このとき既に智弁の中谷監督もそんなこと言ってた。なかなか難しい、厳しくするのはと。でもめちゃくちゃ智弁は厳しいけど。これは酷なことなのよ。高校生たちに自分たちに厳しくして自分たちでうまくなれって、酷なことなんだけど、でも今そうなっちゃっているからね。迷ったときに、この人ならどう考えるんだろって存在は、そんな自分で整理してこれが正解だと思うっていけないですよ、なかなか。かといってじゃあ友達にそんなこと言ってさ、それも違うでしょ。どうしてる?迷ったとき。誰に相談するの。自分の中で整理して進むしかないの?どうであってほしいと思う?厳しくしてほしいって子もいるでしょ、中には」。自主性や褒めることを重んじる教育の流れの中で、厳しく指導することのさじ加減の難しさを指摘し、高校生の心中を慮った。

 

「自分たちを尊重してくれるのはありがたいんだけど、分からないこともいっぱいあるからもう少しほしいんだけどってない?あるよね」と語り、「これはなんかね、高校野球というよりも大きな、もうちょっと大きな話になっちゃうね。でも自分たちで厳しくするしかないんですよ。ある時代まではね、遊んでいても勝手に監督・コーチが厳しいから全然できないやつがあるところまでは上がってこられた。やんなきゃしょうがなくなるからね。でも、今は全然できない子は上げてもらえないから。上がってこられなくなっちゃう。それ自分でやらなきゃ。なかなかこれは大変」と様変わりした現代では、選手がより自身を律することが求められる過酷さを指摘した。…

 

イチロー氏 「指導する側が厳しくできない」時代の流れ 「酷だけれど…自分たちで厳しくするしか」(スポニチ) | 毎日新聞

https://mainichi.jp/articles/20231106/spp/000/001/091000c

  

  キツイよりも「ゆるい」、そして熱いではなく「ぬるい」といった方が、やることはやっているので、あとは人それぞれの感じ方の問題でしょ?って責められなくて逃げられるアリバイを作りながらの仕事ぶりが蔓延していてどうも落ち着かない。

感じられ方がハラスメントの基準となっているので、こうなるのかなとも思いながら、人間って、システムという環境にも器用に順応し、そのスタイルが増えていくと社会の雰囲気になるから凄いなと感じている。

 

イチローさんはほかにも、こんな発言をしている。

 

イチロー氏 「誰からも嫌われたくない」現代、「それでは切磋琢磨していかない」 旭川東で高校生指導― スポニチ

https://search.yahoo.co.jp/amp/s/www.sponichi.co.jp/baseball/news/2023/11/06/kiji/20231106s00001002539000c.html%3Famp%3D1%26usqp%3Dmq331AQGsAEggAID

 

果たして、どんな育てられ方がいいのでしょうね。

私は、「森は丁寧に育てねぇとな」ってクスッと笑わせてくれる 「JT企業CM『森について考える午後』篇」が、どこかにありそうで、これくらい肩の力が抜けてる社会が好きなのですが…。