コレアタウン 現地研修 御幸森小学校
秋空の大阪コリアタウン (写真1) 歴史ある御幸森神社(写真2) 国際交流の拠点に(写真3)

大阪コリアタウン

 九中校区人権教育推進委員協議会では、合同地区研修として10月21日に鶴橋にある大阪コリアタウンフィールドワークを行いました(左写真)。西丘小PTAからも3名が参加。大人の異文化交流です。コリアNGOセンターの金さんと井上さんお二人に鶴橋国際市場と、コリアタウンをご案内していただきました。何気なく通る路や街には文化があり、背景には知っておきたい歴史が存在します。

 九中校区合同現地研修 常任委員さんレポートより

 鶴橋国際市場

 迷路のような狭い路地にところ狭しと並んだ食材・料理や生活用品。敗戦直後の混乱期に大阪最大の闇市がつくられ、その後鶴橋に居住した人々によっていまの国際市場が形成されたそうです。大阪の在日朝鮮の人はチェジュ島出身者が多いので、国際市場で売られている韓国料理は韓国南部の料理がベースとなっているものが多いと学びました。日本で定番となっているチヂミは、韓国南部の「方言」だということも知りました。また、トマトキムチや長芋キムチなど日本で開発された料理もありました。国際市場を見学して、文化は場所とそこに暮らす人々により変わっていくものであることを強く感じています。

 秋空の大阪コリアタウン(写真1)

 御幸森神社(写真2)は難波宮を開いた仁徳天皇がこの地に渡来してきた百済の人々と交流をした場所といわれています。商店街の名前はここからつけられたそうです。太平洋戦争で大阪への空襲が激化して、この周辺の日本人も田舎へ疎開を始め商店街には空き家が増えました。戦後、それらの空き家を入手する朝鮮の方が増え表通りである御幸通りが「朝鮮市場」に変わっていったそうです。近年は、韓国で人気のフライドチキンやスイーツ店の進出が相次ぎ、コリアタウンも変化を遂げている最中とのことでした。商店街は東西だけでは収まらず、南北の路地にも店舗が増え、まだまだ進化しそうな気配がありました。少子化が進み去年廃校になった御幸森小学校(写真3)は建物を有効活用し、今後の国際交流の拠点として期待されているそうです。

 担当者「今の赤いキムチは朝鮮古来のものでないように(唐辛子は、豊臣秀吉時代に日本経由で大陸から朝鮮半島に入った)、文化は既に多様であり、繋がっているということを学びました。どこにオリジナルがあるかとは言い難く、地域性、人々の個性が混じりあって文化は形成されるものなのです。いま、ここにある多様性を受け入れ、認め合うことが人権を尊重するということに繋がる、大事なことなのではないかと思いました」

秋空に 認め合う 人権尊重