ラフランス
夏休みなど数日休んだ後に出勤すると、旅行に出かけたお土産の個装されたお菓子が校長室の机上に黙って置かれてることがある。
校長にまでわざわざと思うがありがたいことである。誰からなのかわからずお礼も言えずモヤモヤもするが、お気持ちだけを頂いておき、誰が置いてくれたのかを詮索はしないことにしている。もちろんわかったら丁重にお礼を申し上げる。
今朝、あいさつ運動を終えて校長室に戻ってくると、ネットに包まれたラフランスが置いてあった。
ラフランスとは高価ではないか。しかもこの時期に? なぜ? 何かした?
疑問は膨らむ。
いつもいろいろと気を配ってくれる隣の事務室に尋ねてみる。
というのも先日の運動会当日には「校長先生、運動会といえばミカンでしょう、もう黄色くなってるけど」と昼食時に少し酸っぱいみかんをくれて行事の緊張をほぐしてくれたのだ。こんな感じで歳の近い事務職員の彼女はいつも絶妙のタイミングで心を癒してくれる人の心の機微に聡い人だ。
しかし、尋ねたが今回は違うようだ。
ますます、不安になる。モノは「ラフランス」である。
ラフランス、ラフランス、和名は「洋梨」。
「ヨウナシ?」、私の仕事ぶりに対するメッセージ? 警告?
どんだけネガティブに陥ってるんだと自分の思考回路にあきれ返りながら、
机の下を見ると「おすそわけです、○○」と書かれた緑色のメモにが落ちていた。
ウインドブレーカーを脱いだ時に机の上から飛んでいたのだろう。
思い当たることがあって廊下ですれ違う時にお礼を述べると、ふるさと納税の返礼品なのだそうだ。
よかった、用無しではなく、先日のあの助言に感謝してくれて気遣ってのことなのだろう。
心がざわついたあと、理由が分かって申し訳なくも感じ、そして少し気持ちが温かくなった朝の一コマである。
