6月26日は
史上最強で、臆面もなくWカップ優勝を口にできる森保ジャパン。サッカー部の顧問、体育の先生だけでなく、先生たちもワクワクしているのが見ていて面白い。
その日の試合は午前8時からということで、授業時間帯と重なるため、試合が気になる生徒もいるかと、先生たちは学校版フーリガン対策のごとく授業中のiPadの使用警戒レベルを上げている。
いっそのこと、全学年とも体育の授業に変更して体育館でパブリックビューイング、本田圭佑さんの解説にまじえて体育の先生がルール説明もしながら…なんて、冗談である。
趣味に走っている、なんでサッカーだけと言われ、叱られるのがおちだろう。
そんななか、当日朝起きると、台風7号と8号が接近しているせいで、豊中市に「レベル3大雨警戒」が発令されている。教頭先生からもコドモンの通知文についての相談の電話が入る。
豊中市のルールでは、「登校前の午前7時から午前10時まで発令中の場合は自宅待機で解除次第登校。午前10時までの間に解除の場合は、給食が提供されるので以降の授業は通常通り。午前10時以降も発令中の場合は、臨時休業とする」となっている。
少し早めに出勤して情報を収集する。続々と先生たちが出勤してくる。小さい学童のお子さんがいる先生から連絡が入ったり、遠方から通勤している先生からは家を出たものの「レベル4大雨危険警報」は大袈裟ではないと一旦家に戻って待機しますと悲壮な声が届いたりする。
情報収集のために職員室のテレビをつけると、NHKはサッカー中継中だ。時折濁流が氾濫しそうなニュースも報じられる。
8時までに解除なら、9時までなら、10時までなら、10時以降ならと対応を職員室のモニターに掲示すると同時にコドモンで家庭にメール配信をする。
8時を過ぎて、「レベル3大雨警戒」が発令中なのにいつもどおりの時間に登校してきた生徒がいる。打ち合わせどおり担任が教室に連れていく。中には情報をきちんと獲得することに配慮が必要な生徒も含まれている。今後の課題だ。
8時半を過ぎた。市教委へ対応の報告を送信する。
ついでに以前からの「謎」を備考欄に記した。「まで」と「以降」のことだ。
「まで」も「以降」もその時間を含む表現だ。
10時ちょうどに解除となったら、どうなるのだろう?
いちびってるのではない。ルールにまつわるこの表現は正しくないのではないだろうか。
「yahoo天気予報」では、当初9時過ぎには解除の見通しと表示されていたが、更新すると12時までに延長されている。あっという間に9時を過ぎた。外の雨はそんなに強くない。登校してきた生徒の今後の対応を話し合う。
市教委から備考欄の回答の電話が入る。
「校長判断で」とのこと。確かに教育課程などの編成は「校長」がすることに含まれるのだろうけど、なんかモヤモヤ気持ちが悪い。
しらないうちに日本が1点を入れている、と先ほど思ったら同点にされている。
9時半、いつもの時間に給食の配膳員さんたちが出勤してきた。
牛乳届いていたかな? まだなんじゃないだろうか?
そのことを告げに行こうとしたら、職員室から「あぁぁぁ」という声。
(逆転されたのか)と思ったら、ポケットに入れてるスマホが震えた。
豊中市の警報が解除されたのだ。その時刻9時51分。
教頭先生と連れ立って配線室に給食の開始時間を改めて確認に行き、今後の時程の打ち合わせに職員室に戻る。(どうした?)職員室の先生たちの視線がこちらに集まる。
尋ねると、テレビで警報の解除を確認した。「yahoo天気予報」でも同様だった。
しかし、「気象庁」のホームページでは10時を過ぎてしばらく経っているのに、まだ「レベル3大雨警戒」だという。
教頭先生が自身のスマホで確認をすると確かにまだ「レベル3大雨警戒」だ。まるで、VAR(ビデオ・アシスタント・レフリー)だ。
念のため、もう一度更新をタップする。
その時、レッドはイエローの「レベル2注意報」に変わった。「おいおい気象庁!しっかりしてくれや」と思う。
職員室の電話が鳴る、「気象庁」のホームページでは10時を過ぎてしばらく経っているのに、まだ「レベル3大雨警戒」だという内容の電話が続く。
本家本元のお役所が情報提供で負けててはだめでしょうが。混乱が起きてますやん、だ。
サッカーはアディショナルタイム7分も終わり、ドローでグループ2位での予選通過だという。今日のこの2時間はちょうど生徒たちにとってはサッカーの観戦休業みたいな感じになった。
下足室で今日も生徒を迎えていると、「なんで9時51分なん、校長先生」という子が何人もいる。もしかしたらそのうちの何人かは、本当に校長が決めたと思っているかの口ぶりだ。
「校長判断」と教育委員会は言うけれど、私は決して豊中市の警報解除を決めるほどにはえらくはないのだよ、諸君。
6月26日は、市内のいくつかの中学校では期末テストだった。
きっとまた違ったドラマがあったことだろう。
